檜原村内出身大学生が商品開発 規格外・廃棄作物を活用したシロップ「村に恩返しを」

「食品ロス削減と地域活性化に貢献したい」と話す谷合さん
「食品ロス削減と地域活性化に貢献したい」と話す谷合さん

 ルバーブ、柚子など檜原村の規格外・廃棄作物を活用したシロップ「むらぺちーのシロップ」が3月下旬に発売される。中央大学3年生の谷合莉奈さん(20)が企画・開発し、材料の調達からシロップの製造まで自ら手掛ける商品。スタイリッシュなパッケージで、土産物や贈答品としての利用が期待される。

 檜原村出身。中学生の頃までは「早く村を出たい」と考え、高校進学後は3年間、立川市の祖母の家から通学した。だが村を離れて初めて、道ですれ違えば必ず声をかけてくれる村民の温かさや、子どもの数が少ないからこその村の教育の手厚さを実感。恵まれた環境で育ったことに気づき、村に恩返しをしたいと考えるようになった。

 大学進学後は、学業の傍らじゃがいも焼酎の製造・販売を行う村内の施設「ひのはらファクトリー」でアルバイトに励み、併設のカフェで提供する新メニューの企画に取り組んだ。

 谷合さんは「シロップを商品化できたのは、村の皆さんの協力のおかげ」と感謝を述べたうえで「私も含め、檜原村の子どもたちはシャイな傾向がある。こんな私にでもできたんだという事例が、何かに挑戦したいという秘めた思いを持った村の子たちの後押しになれば」と話す。

 シロップの原材料は100%檜原村産で、農家の規格外作物や、高齢世帯で収穫しきれず廃棄されてしまう作物を活用する。味は、ルバーブ・紅茶・ブルーベリー・柚子・キウイの5種類。添加物は不使用。炭酸水で割って飲んだり、パンケーキやヨーグルト、アイスクリームなどにかけたりして楽しむことができる。

 価格は1本1000円前後を予定。ひのはらファクトリーで購入できる。(高野)