奥多摩町 虫工房「MARUI」 クワガタ育てて30年 灯火採集ツアー大人気

今春かえったヘラクレスオオカブト
今春かえったヘラクレスオオカブト

 奥多摩町川野で虫工房「MARUI」を営む古屋寿大さん(59)は、国内外産のヒラタやオオクワガタ、ヘラクレスオオカブトなどを年間500〜600匹飼育し販売している。6月中旬〜9月初旬には奥多摩や丹波山村で虫を採る「灯火採集ツアー」を行なっており、今シーズンの予約受け付けを1日から開始した。

 ギネス級サイズを目指して飼育。国産クワガタは7㌢ほどで外国産は10㌢ほどの体長の個体をそろえる。サイズだけでなく背中等に傷が無く、大顎や角を真っ直ぐ育てるなど、形にもこだわっている。

 灯火採集は400〜1000㍗の投光器を山に当て、光を目がけて飛んでくる虫を採る。平地ではあまり見られないミヤマクワガタが採れると遠方からの参加者も多い。多い時は大型サイズのミヤマクワガタが一晩に10匹近く採れる時もあるという。

テレビ番組等から灯火採集の依頼を受けることもあるという古屋さん
テレビ番組等から灯火採集の依頼を受けることもあるという古屋さん

 30年ほど前、知人からオオクワガタの幼虫を譲り受け、育てることに。幼虫が蛹を経て成虫になる様子を目の当たりにし、生命の神秘を感じたという。それ以来、クワガタに魅了され、独学で飼育法を研究。大きく美しいクワガタを育てることに没頭した。

 ある程度の大きさに育てられるようになると、自身が営む食事処「丸井亭」の土産物コーナーで販売を始めた。10年ほど前からはヘラクレスの飼育販売も始め、今では土産物は置かず、クワガタやカブトムシのほか、飼育用品、灯火採集用品を販売するようになった。

 ツアーに参加する子どもたちからも慕われており、飼育での困りごとを電話で相談されたり、古屋さん宅に泊まり込みで採集をしたりする子どももいる。今は小学生や常連客と、誰が一番大きく育てられるかを競っているという。

 古屋さんは「シーズンが始まると、ほぼ毎日山に入っています。楽しくて仕方がない。次の夢は育てたクワガタやカブトムシを体育館で飛ばすことです」と話す。

 ツアーは8000円〜(1組6人まで)。(鋤柄)