意匠登録の独自技法で表現 MABOさんが西多摩で初個展 あきる野市小中野のOSTERIA ALBERIで 31日まで

工房に飾られた作品の前に立つMABOさん
工房に飾られた作品の前に立つMABOさん

 瑞穂町箱根ケ崎に工房を構える銅板造形作家、MABOさん(本名・石川雅與、43)の展覧会が7月31日まで、あきる野市小中野のイタリアンレストラン「OSTERIA ALBERI」で開かれている。「光と影」「生と死」などの二面性、その境界にあるものをテーマに制作。展覧会には抽象的な平面作品、植物をモチーフとした立体作品などが展示される。

 平面作品には都心や自然などの風景写真を銅板や真鍮板に転写する技法を用いている。2021年に意匠登録したMABOさん独自の技法で、10年ほど前から制作に取り入れている。写真転写した金属板をさらに薬品で変色させたり、磨いたりして奥行きのある画面を作り出す。

都市と植物の写真を組み合わせた作品。薬品を塗り重ねて黒い面を作る
都市と植物の写真を組み合わせた作品。薬品を塗り重ねて黒い面を作る

 唯一の技法を確立したMABOさんは個展やグループ展での作品発表にとどまらず、「THE AOYAMA GRAND HOTEL」(港区)の客室や商業施設エントランスなどのパブリックアートも手掛けている。今年11月には台湾での個展を予定するなど、活躍の場を広げている。

 あきる野市引田出身。2002年に銅板造形作家の赤川ボンズ氏に師事。約10年間、技術を学んだ後、独立。表現の幅を広げたいと、作家仲間が暮らす京都にアトリエを移し、数寄屋大工、宮大工、庭師職人らと共に店舗等の空間作りにも取り組んだ。2016年に東京に戻り、現在の場所に工房を構えた。

 MABOさんは「地元で展示するのは初めて。多くの人に作品を見ていただけたらうれしい。西多摩でさまざまな活動をする人にも出会えれば」と話す。

 開催時間はランチタイムの11時30分〜14時とディナータイムの17時〜21時。月曜定休。問い合わせは042(588)4888同店まで。(鋤柄)