タイムアタック用タイヤ削り機 「削丸Kezmaru」 青梅市長淵 金鈴精工

シリーズ
わが社の一押し製品

「削丸」でタイヤ削りを実演してくれた鈴木社長。開発に事業再構築補助金を活用した
「削丸」でタイヤ削りを実演してくれた鈴木社長。開発に事業再構築補助金を活用した

 自動旋盤と切削が得意な金鈴精工(青梅市長淵)の一押し製品は、タイヤ削り機「削丸Kezmaru」。鋭利な刃でタイヤ表面の劣化したゴムを薄く削り取る機器で、人気急上昇中のモータースポーツ「タイムアタック」向けに開発した。これを使うとタイヤ表面がフレッシュになり、グリップが上がってタイム更新につながるという。

 開発者の鈴木社長(56)は元オートバイレーサーで大のスポーツカー好き。50歳を過ぎてからサーキット通いを始め、レース会場で見たタイヤ削りに着想を得て新製品の開発に至った。

 タイヤ表面を削り、新鮮なゴムの状態で走行すればタイム削減に有効なことは知っていた。だが目の前の、電動カンナを手動で操る削り方は明らかにムラがあった。 

 「これではタイムは縮まらない」。普段、カメラレンズ周辺のシャフトなど非常に精密な部品を製造している人間として「いたたまれない気持ちになった」。自社の自動旋盤、切削の技術を生かし、タイヤ表面を半自動で均等に削る機器を作ろうと思い立った。

 2021年秋の発案から1年半後の昨年5月、1台330万円で「削丸」の受注販売を開始。鈴木さんはタイムアタックのたびに「削丸」でタイヤを削り、タイムを縮めることで性能の良さを実証してきた。自身の成績が宣伝となり、現在までに3台が売れた。2台はタイムアタックの競技者が、自営する会社で購入。新規事業としてタイヤ削りを始め、収益の柱の一つになっているという。もう1台は某大手企業が購入した。

 次なる野望は「F1界に『削丸』を普及させること」。国内特許を出願中で、国際特許は米国のみ申請を検討している。(伊藤)