独自アイテムを販売 あきる野移住の石井さん新店舗 ウエア、小物など 企画・製造も 

 

 檜原街道から横道に入ったあきる野市五日市の住宅街、紀伊国屋の駐車場跡地にヴィンテージ服を扱う店ができるという噂を耳にしたのは昨年初夏のこと。着々と建物の建設が進み、小洒落た外観が現れる頃には、古着屋やリメイク店といった別の噂も浮上し話題になっていた。2024年11月30日、ついにオープンした。さてその正体は…。

おしゃれな外観が目を引く

 店の名はnaoshiya custum factory(ナオシヤカスタムファクトリー)。ファッションの街原宿で15年間、ジーンズ専門の修理店を営んでいた石井直人さん(43)が、衣類を中心にしたオリジナルアイテムを企画・製造・販売する拠点として構えた。

 丈夫で機能性が高いアメリカンワークウエアをコンセプトに石井さんが身に付けたいもの、作りたいものだけを作る「愛用品専門店」。長年のファンが店の経営を支えているという。

来客のない時間はひたすら店内のミシンで制作する石井さん

 石井さんはコロナ禍を機に修理業をたたみ、並行して続けていた独自製品の制作に軸足を移すことに。娘が小学校に上がる時期に合わせ、より良い作業環境を求めて都心の店と自宅を引き払い、家族3人、五日市に越してきた。

 移住の決め手となったのは地価の安さと豊富な自然。武蔵野エリアから始まった物件探しは次第に西へと移り、あきる野へ。昨年5月、市の移住・定住担当職員の案内で市内を見学。当初は中古の店舗兼住宅を購入する予定だったが気に入った土地が見つかり、「これもご縁」と店鋪住宅を新築した。

 東京北区で生まれ育ち、「田舎」の環境にあこがれてきた石井さんには、あきる野は最適な地。「空気がおいしい。山が近い。川もある。自然を近くに感じながら、めちゃくちゃ気持ちよく仕事させてもらっています」と、のびのびとした環境で好きなものづくりに没頭できる幸せを実感している。

 石井さんが新店舗で初めて企画したアイテムがアンクルストラップ。米国製の丈夫な生地に反射板を縫い付けた製品で、自転車乗車時のチェーンへの巻き込み防止にパンツの裾に巻いて使う。移住後、自転車に乗り始めた自分のために作ったのだが、オンラインショップで販売すると早々に完売に。目下、妻の幸子さんとミシンに向かい、増産に努めている。

 店舗に在庫あり。営業時間は11時〜18時。不定休。店名検索でオンラインショップ、SNSにアクセスできる。(伊藤)

店にある商品は全て石井さんが企画・製作したオリジナルブランド