自然への愛 命の尊さ 玉堂美術館で6月6日まで 紅白梅屏風と生きとし生けるもの展
青梅市御岳の玉堂美術館で6月6日まで、開館60周年記念の「紅白梅屏風と生きとし生けるもの展」が開催されている。第1展示室では六曲一双の屏風に描かれた紅白梅が来館者を迎える。春の到来を喜んでいるようだ。
紅白梅屏風と共に展示されているのは、玉堂が好んで描いた、サルやウサギ、ツルなどの動物の絵。卓越した描写力で描かれた絵からは写実性を超え、見る者に自然のあり方そのものを説いているように感じられる。
第2展示室に飾られたスケッチも見応えがある。無駄のない線で描かれた動物は生き生きとし、玉堂の自然への愛が伝わってくる。主事の小澤芳郎さんは「新型コロナウイルス感染拡大により、改めて命の尊さ考えさせられた。この展覧会では紅白梅だけでなく、玉堂の描いた動物たちから改めて命の大事さを感じてもらいたい」と話す。
同館には、米国の日本庭園専門誌が2年連続で5位に選出した枯山水がある。多摩川のせせらぎ、鳥のさえずりが聞こえ、春には桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、借景の移り変わりも楽しめる。「観光に訪れる方だけではなく、玉堂の残した素晴らしい作品、移りゆく風景を近隣の方にこそ楽しんでもらいたい」と小澤さんは語る。
開催時間は10時〜17時(入館は16時30分まで)。月曜定休。大人500円。問い合わせは0428(78)8335まで。(鋤柄)