夫婦で檜原の魅力を発信 地域おこし協力隊の土井夫妻 オンラインショップ開設、ヒノキのテーブルキット商品化
地域おこし協力隊として檜原村の活性化に取り組む土井智子さん(46)はこのほど、村内作家の作品を扱うオンラインショップを立ち上げた。同じく協力隊で夫の卓哉さん(46)が手掛けた木工製品も扱う。
ショップ名は「晴ノ舎(はれのや)」。現在、土井夫妻が暮らす同村人里の作家、染工房シゲタの繁田泰治さん、あきのさん夫妻の草木染作品と、「檜原窯」を営む陶芸家、森井隆さんの作品を主に扱っている。「まず私がお二方のファンで、『こんな素敵な作品を紹介したい、見てもらいたい』という気持ちでサイトを開設しました」と智子さん。
コロナ禍により昨年以降、協力隊として直接村の人とふれあう活動ができない状況が続いている。一方で自宅時間が増え、「いつかやろうと思っていたことに取り組めた年でもあった」と振り返る。
オンラインショップの開設はその一つ。コロナ禍で作品展が開けない作家たちの力になりたいという気持ちが「いつかやろう」を「今やろう」に変えた。オンライン授業で自宅にいた大学生の2人の娘の手も借り、1月16日にサイトを立ち上げた。
智子さんは、協力隊の任期が終了する来年4月以降も人里に住み続け、将来的には実店舗とオンラインショップの両方で檜原の魅力ある産物を紹介していきたいという。
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卓哉さんは檜原のヒノキを使った商品を開発。DIYテーブルキット「檜卓(かいたく)」をd.Design の屋号で発売した。そり止めを施した2枚のヒノキ板で、溝に沿ってノコギリで部材を切り出し、組み立てる。釘を使わず穴に突起を差し込む構造で、簡単に分解でき、持ち運びに便利だ。
協力隊になる以前、建築関係の仕事に長く従事し、鉄の加工に携わってきた卓哉さんは、手先が器用で木工も得意。木のぬくもりや鉄と比べて扱いの難しいところに魅力を感じ、木を使う仕事にあこがれてきたという。
「檜原を代表する木、ヒノキの素晴らしさを伝えたい」という思いに加え、「木を使うことが山を守ることにもつながる。微々たるものでも役に立ちたい」との気持ちで商品開発に取り組んだ。村のものづくりチャレンジ事業助成を利用。独自に工夫した4項目で実用新案を出願中だ。近々、いすのキットも作る予定で、少しずつ商品を増やしていきたいという。
「檜卓」の価格はキット単体で1万2100円、のこぎり付きセットで1万3970円。「晴ノ舎」で販売中。(伊藤)