あきる野 BLUE CORNの内田さん 思い出を色あせない絵に
思い出を形に残したい—。その願いに一つの答えを提示するのが、あきる野市小中野の内田さん(33)。手放すことになった愛車を、友人や家族との楽しい時間を絵にし、色あせない思い出として依頼主に届けている。
BLUE CORNの屋号でイラストを手掛けて7年ほどになる。水彩、アクリル、ペンなど描く対象によって画材を使い分け、味わい深い1枚に仕上げる。
デジタル画の技術がないわけではないが、何度でもやり直しがきくデジタルの世界より、失敗に手を加えることで奥行きが増す手描きに面白みを感じている。
「何をぼかし、何を強調するかで描き手によって全く違った絵になる」と、デフォルメを「味」と捉え、味のある作品を好む。精密画にはあまり興味がないという。
会社勤務の傍ら、夜間や休日に依頼を受けて絵を描く。結婚式のウェルカムボードや車のカスタムペイント、会社のロゴ制作も手掛ける。
子どもの頃から絵が好きで、高校卒業後は渋谷区の桑沢デザイン研究所に進学。3年間、プロダクトデザインを学び、作りたいと思ったものはパッケージやロゴまでトータルデザインし、商品として完成させる術を身につけた。立体物を作るのも得意で、間もなく2歳になる息子のおもちゃや家具、絵の道具など自分にとって重要度の高いものはたいてい手作りする。
複数のクリエーターがブースを構え作品を販売する瑞穂町長岡のK-BLOOD produce studio.に内田さんのコーナーがある。依頼は同店経由かLINEで。価格は画材やサイズによって異なり、アクリル画はF6キャンバス1万6500円〜。(伊藤)