久森の天然氷のかき氷 ふわふわの氷のタワー 地場産果実でシロップ手作り

「うわーっ、すごい」。そのかき氷を見た途端、思わず驚きの声が漏れる。まるでふわふわの雪のタワーのよう。あきる野市小川の甘味茶房「久森」(森田康大店主)の看板メニューだ。

八ヶ岳南麓の湧水で作った貴重な天然氷を、かんなくずのように薄くかき、高々と盛り付ける。氷の存在感を際立たせるためシロップは器の底と中間に。敢えてトッピングはせず別容器で凍らせた果実とともに添え、真っ白な氷の頂に自由にシロップをかけて楽しんでもらう。

主役はあくまで氷だが、天然氷のさらりとしたおいしさを引き立てるのが自家製シロップだ。コンセプトは「スローフード、スローライフ」。マンゴーと抹茶を除くイチゴ、キウイ、ブルーベリー、金柑は地場産を使い、少量ずつシロップにしている。

店主の森田さん(49)自身が農家なことから、農家仲間のネットワークを生かして果実を仕入れる。選別に手間がかかるため市場には出回らない露地イチゴや、生産量の少ない天野農園のキウイなども手に入る。いずれも酸味と独特の風味が人気を集めている。

森田店主は「天然氷といえど1杯1000円のかき氷は安くはない。驚きと感動も一緒に届けたい」とインパクトのある盛り付けを続ける。

地域の農家を応援し、地域を元気にしたいとの思いから、東京牛乳を使ったソフトクリーム(税込み400円)も提供している。

営業時間は午前11時~午後4時。火曜定休。問い合わせは042(558)1852まで。(伊藤)