あきる野市雨間 天台宗西光寺で 蓮の植え替え作業行う 7月、8月に見頃に

あきる野市雨間の天台宗西光寺(川勝宥実住職)で12日、蓮の植え替え作業が行われた。春本番を迎える3月下旬には新しい芽が顔を出す。芽が伸びやすく、美しい大輪が咲くように、この時期に手入れが必要になる。
当日は川勝住職や栽培に詳しい野島健也さん、地元の花店の真島和明さんら蓮の花を咲かせる会の6人が作業に参加。20ほどの大鉢に残る枯れた茎や根を取り除き、花を咲かせやすい蓮根(地下茎)を選定して、丁寧に植えつけた。蓮の花は早ければ6月から咲き始め、7月、8月が見頃になる。鮮やかな桃色や白の花々が参拝者を迎える。
同寺では先代の宥法住職のときに蓮の寺として知られる町田市の圓林寺から蓮根を譲り受け栽培していた。いつからかあまり手入れができなくなっていたが、10年ほど前から野島さんらに協力してもらい、手入れが行き届くようになり、毎年きれいな花を咲かせている。
蓮の花は仏教とは深い関係がある。蓮は池の底の泥の中に根を張り、茎を伸ばして水面に美しい花を咲かせる。その姿は「蓮は泥より出でて泥に染まらず」(中国の成句)と言われた。川勝住職は「仏教では泥は私たちがいる娑婆世界、煩悩を表している。極楽の池にある蓮は青い花は青い光を放ち、黄色の花は黄色の光を、赤も白もそれぞれの色の光を精一杯放って、互いに相手を照らし照らされ、全体が美しく大きく輝いている。人々が相互に照らし極楽池の蓮のような世界になるよう祈りたい」と話している。
蓮はこの時期に植えると後は水を足すだけで花が咲く。
鉢の中は底に大粒、中粒の赤玉。順に鶏糞、腐葉土、荒木田土、蓮根、荒木田土、小粒の赤玉を重ね、水を張る。荒木田土、小粒の赤玉は水をきれいにし、メダカを入れればボウフラ除けになるという。
蓮を育てたい人は同寺に連絡すると蓮根を分けてもらえる。ただし数に限りがある。問い合わせは042(558)0242まで。(岡村)