遡上アユ37万尾 過去15年で最低 台風19号で産卵減か

東京都島しょ農林水産総合センターは1日、今年の江戸前アユの遡上調査結果を公表した。今春、東京湾から多摩川に遡上した江戸前アユの数は推定約37万尾で、過去15年の調査で最も少なかった。同センターでは結果について「昨年10月の台風19号で親魚が減り、産卵場が被害を受けたことも重なって産卵が少なかった可能性がある」としている。

多摩川は高度経済成長期に水質の悪化で魚がいなくなったが、その後、下水道の整備などが進み、再びアユが遡上するようになった。

都は流域漁協の求めに応じて1983年から江戸前アユの遡上調査を実施している。3月下旬〜5月末、多摩川河口から11㌔の地点に定置網を設置し、10時〜翌日10時の24時間に網に入ったアユの数を毎日計数。期間中の累計数に入網率を掛けて遡上数を推定する。

例年、遡上のピークは5月に来るが、今年は3月中から上り始め、4月初旬にピークを迎えた。調査開始前にもかなりの数が遡上しているという。(伊藤)