日の出町 愚陶庵 竹モチーフのマグカップ 朝ドラに登場 オンラインショップで注文相次ぐ

風合いのある竹マグ。1点ずつ表情が違う

日の出町平井の陶芸家、山﨑豪さん(38)が手掛けた竹をモチーフにしたマグカップ(竹マグ)が、NHK連続テレビ小説「エール」に登場する喫茶店「バンブー」で使用され、話題を呼んでいる。オンラインショップで視聴者からの注文が相次ぎ、制作が追いつかない状態だ。

山﨑さんは2004年に明星大学文化学部造形芸術学科陶芸専攻を卒業後、同町の陶芸家、岡野法世さんのすすめで師に就かず、独自の作風を求めて独立した。15年、工房脇に「愚陶庵」を構え、自然をテーマにした作品を発表している。

竹マグは「日常の中で竹林の清々しい空気感を感じてもらえたら」という気持ちで作った。16年ごろ発売し、その後もたびたび注文が入る人気商品。縦の繊維が特徴的な竹の質感に近付けようと、電動ろくろを使うとできる「ろくろ目」と呼ばれる横の筋を竹串でならして消し、自ら調合した釉薬をかけて電気炉で焼き上げる。藍色がかった緑色の濃淡と、節の部分の作り込みがなんとも味わい深い。

素焼き前の竹マグと山﨑さん

昨年暮れ、番組の制作会社スタッフから竹マグの注文を受け、朝ドラで使いたいと告げられた。初登場は5月初旬。「テレビに映るマグカップは自分が作ったものとは思えず、不思議な感じがした」。その後、何度か使われるうちに実感がわき、うれしさがこみ上げてきたという。

竹マグは現在も鋭意制作中。愚陶庵の公式サイト上のオンラインショップで予約を受け付けている。税込み2750円。(伊藤)