ゆっくりでも前へ 「明るい世に」願い込め 丑の土鈴デザイン

2021年は明るく、病のない世になるように―。そんな思いで朱赤を使った。あきる野市深沢の造形作家、友永詔三さん(76)がデザインした丑の土鈴だ。明治神宮(渋谷区)の境内で、縁起物として扱われている。友永さんは19年、同神宮から十二支すべての土人形のデザインを依頼され、子年の昨年から手掛けている。

丑の土鈴をデザインした友永さん

丑をどうしようかと考えた時、真っ先に頭に浮かんだのが昨年、世界を襲った新型コロナ。暗く沈んだ世の中の雰囲気を明るくするような色づかい、見た人の心が和むデザインを意識した。

完成した丑の人形はころんとした形に愛嬌のある表情で、額に描かれた2本の角さえ愛らしく見える。ピンクの耳、ちょっこりのぞく前足もかわいい。「流行り病をよけるとされる『赤べこ』に通ずる思いを込めた」という。

十二支の中で最も動きの遅い丑(牛)の年は、急がず、一歩一歩着実に物事を進めることが大事とされる。今年は、まさにそうした年になる。

土鈴は1000円で授与される。昨年のねずみが完売していることからも、早めの入手がおすすめだ。(伊藤)