自然体でスタジオ撮影 奥多摩町の写真家 山口まり子さん

ランドセルを背負った妹と中学の制服に身を包んだ姉。顔を見合わせて笑う姉妹の写真からは、新たな春を前にした初々しさと喜びのようなものが感じられる。奥多摩町の写真家、山口まり子さん(38)が町内にある自身のスタジオで撮った1枚だ。山口さんの、現場の自然な空気感まで写し込んだ写真には定評がある。

奥多摩町の写真家 山口まり子さん

撮った写真の中から客に1枚を選んでもらい、100年色あせないと言われるアートペーパーにプリント。額装して自宅に飾るよう提案している。東日本大震災の被災地で、写真のデータは失われても紙焼き写真は復元できたことを知り、プリントにこだわるようになった。

スマホやデジカメの普及で誰もが手軽に写真を撮れる時代だからこそ、プリントして飾りたい写真、残す価値のある写真を撮らなければと、プロとしての仕事を自覚する。中学時代は服のデザイナーになりたかった。アパレル会社で働いていた20代後半、中学の同級生に「人手が足りないから」と誘われ、突如ブライダルフォト会社に転職。その後スタジオ勤務を経てフリーの写真家に。2018年、町に移住し昨年、スタジオを構えた。

元来、飽き性というが、撮影だけは常に楽しいという。「瞬間を切り取るカメラの性質が私を飽きさせない。人生は瞬間の連続で、どんな日にも大切な瞬間がある」と「365日すべてが記念日」を提唱する。「何気ない日の撮影は自分の暮らしを大切に思う気持ちにつながり、撮る側も撮られる側も前向きになれる」と話す。

町内作家が手掛けた フォトフレーム

スタジオ撮影の料金は3万3000円。撮影枚数60カット(色補正したもの)、プリント写真1枚、その日の思いを書き込むメモリアルカード付き。別途有料で町内作家によるフォトフレームを提供する。連絡は
info★marikoyamaguchi. com まで。(伊藤)

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