都無形文化財 秋川歌舞伎 あきる野座 発祥120年記念で新春公演 座員も募集

尼ヶ崎閑居の場より

 東京都指定無形民俗文化財秋川歌舞伎は今年、発祥120年を迎える。8日に記念の新春公演があきる野市の秋川キララホールで開かれる。13時30分開演(開場13時)。入場無料、直接会場へ。

 秋川歌舞伎は1899(明治32)年、二宮歌舞伎として始まった。新型コロナで記念公演が延期となり、ようやく今年開催される。演目は大人歌舞伎「絵本太功記二段目・本能寺の場」と、小中学生が演じる子ども歌舞伎「絵本太功記十段目・尼ヶ崎閑居の場」。今回は高校生も出演する。

 このほか新春にふさわしい「舞踊・寿万歳」、120周年を記念して吉野実さん(二宮神社氏子会責任役員)、村野茲美さん(秋川歌舞伎保存会会長)、坂上洋之さん(同会副会長・郷土史研究家)の鼎談も予定する。

 あきる野座が復活し30周年の年でもある。会員は小学生から80歳代までの90人。誠座長はじめ、親子3代で座にかかわる会員も増えた。「芸に精進し、地元の皆様に喜んでいただき、『歌舞伎は面白い』と言ってもらいたい。座員一同、感謝を込めて舞台を務めたい」と白檮山会長は話す。

 あきる野座は、市立東秋留小学校の歌舞伎クラブの指導を続けるほか、学校などに出向き、ワークショップや鑑賞教室を通して歌舞伎の魅力を伝えている。

 全国の地芝居と同様、あきる野座も高齢化が課題。歌舞伎は役者だけではなく下座の演奏、大道具、小道具の製作、着付けとさまざまな役によって支えられている。次世代に伝えたい演目を増やし、座員の親にもなるべくかかわってもらいながら続けている。白檮山会長は「120年続く東京の農村歌舞伎を途絶えさせぬよう次世代を育て、伝えていくのが課題」と話した。

 座員を募集している。問い合わせは090(5789)1723まで。