羽村 BESPOKE TAILOR TAKA フルオーダーメードの服作り

自宅前に設置したショーウィンドー。自作のスーツを着る小山さん
自宅前に設置したショーウィンドー。自作のスーツを着る小山さん

 新型コロナの影響により、社会や個人を取り巻く状況が変化し、これからの生き方、働き方を考え直す人は多い。羽村市小作台の小山貴寿さん(48)もその一人。若き日の夢に再挑戦したいと、「BESPOKE TAILOR TAKA」(ビースポークテーラータカ)として2020年からフルオーダーメードの服作りを再開した。

 自宅の一室の工房で、採寸、製図、裁断、仮縫い、縫製等、全ての工程を手掛け、スーツやジャケットを仕立てている。客の愛用している服から型紙を起こし、生地の変更、ポケットの位置を調整してほしいなどの細かい依頼にも対応してくれる。

 小山さんは服飾専門学校卒業後、老舗テーラーで7年ほど修行を積んだ。知人のスーツを仕立てさせてもらうなどし、修行以外の時間も服作りに没頭していたという。

 テーラーで培った高い技術力を生かし、都内の大手百貨店で洋服補正の店で働き始めた。仕事をしながらも服を作り続けていたが、家庭を持ったこと、仕事が多忙だったことから次第に服作りから離れていったという。

 コロナ禍の影響で百貨店の客が激減し、お直しの仕事も減った。このまま仕事を続けるか悩んでいた時に、人生の帰路でいつも言葉を掛けてくれた叔父の「洋服は欠点を隠し、長所を引き立てる。洋服で人を幸せにできれば、お前も幸せになれる」という言葉を思い出した。

 過去に自分で作った服の写真を見直し、自分の店を持ちたいという若き日の夢を思い出した。夢中で一着のスーツを仕立て上げると、服作りへの思いが再燃したという。

依頼を受けて制作したジャケット
依頼を受けて制作したジャケット

 「自分の本当にやりたいと思ったことに挑戦できることは幸せ。たくさんの人の服を仕立てさせてもらいたい。今の夢は服の展示会を開くこと」と語った。

 問い合わせはインスタグラム(@takatoshi195)まで。(鋤柄)

 

*バックナンバーは弊社事務所で1部220円で販売しています