あきる野 武蔵五日市駅そば 焼き菓子専門店「パージュ」半年ぶり再開 大けがから復帰

2人の女の子を育てながら店を営む昌樹さんと由紀さん
2人の女の子を育てながら店を営む昌樹さんと由紀さん

 武蔵五日市駅から徒歩3分の場所にある「おかしやパージュ」が約半年の休業を経て8日、再オープンした。あきる野在住の岡本昌樹さん(32)、由紀さん(32)夫妻が昨年8月に新規開業した店。その約1カ月後に店主が交通事故で大けがを負い、一時は日常生活を送ることすら危ぶまれた。だが、見事に復活し、再開を果たした。(伊藤)

 五日市に若夫婦が営む本格派の焼き菓子専門店ができる—。店は昨夏、周囲の期待とともに華々しくオープンした。実際、商品は連日完売。昌樹さんは足を運んでくれる客に完売を告げるのがしのびなく、休日返上で菓子を焼いた。無理がたたり、ある夜、車の単独事故を起こしてしまう。

 腰椎の破裂骨折に加え、鎖骨と右手の甲骨を折る大けが。運び込まれた病院で、医師に「再び歩けるようになるかは分からない」と告げられた。

 だが、運よく最悪の事態は免れた。二度の手術とリハビリを経て復帰。体の動きにまだ不自由さは残るが、再び菓子を作れるまでに回復した。当面は体の調子を見ながら金曜、土曜の週2日営業を続けていくという。

 そもそも昌樹さんが菓子の道を選んだのは中学生の頃。静岡県掛川市の実家で母と姉が楽しげに菓子を作る姿を見て「自分もやってみたい」と思ったのがきっかけ。

 製菓の専門学校を出て都心の有名店に勤務していた頃に同業の由紀さんと出会い、結婚。30歳で単身、フランスの隣国ルクセンブルクに渡り、本場のフランス菓子を体得した。

 2020年3月に帰国後、あきる野出身の由紀さんの希望を優先して市内に開業地を探し、縁あって五日市に落ち着いた。

美しい商品が並ぶショーケース
美しい商品が並ぶショーケース

 店のショーケースには、北海道産の有機小麦と発酵バター、季節の果実などを使ったタルトやパイ菓子、店でひいたヘーゼルナッツパウダーを使ったフィナンシェなどが並ぶ。あきる野産の卵と小麦を使ったオリジナルの「ガトーパージュ」(箱入り4個1700円、8個3000円)など手土産に喜ばれる商品も。

 今後の売りはアイスクリーム。バニラ、ショコラ、メロンの3種類で、メロンは農家を営む店主の両親が栽培する。各400円。

 再スタートにあたり昌樹さんは「休業中、たくさんの方から励ましや労りのメッセージをいただき、本当にありがたかった。長く店を続けていくことが恩返しになると思う。皆さんに喜んでもらえるお菓子を夫婦で提供していきたい」と話した。

 営業日時は金曜、土曜10時〜17時。5月からは木曜も営業予定。最新情報はインスタグラムで案内する。問い合わせは042(588)4122まで。


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あきる野市内 セブンイレブン2店で1部売り始めました