日の出町 PUMPMAN 水害防ぐ新資材で特許 現場で穴開きコンクリート

Dotconを使って打設した穴開きコンクリートを披露する小澤社長
Dotconを使って打設した穴開きコンクリートを披露する小澤社長

 コンクリートポンプ車を扱うPUMPMAN(日の出町平井、小澤辰矢社長)は4日、町役場近くの自社倉庫で、現場施工で穴の開いたコンクリート路面を作る新資材のお披露目会を開いた。コンクリートの強度を最大限に生かしつつ道路の透水性を飛躍的に高め、洪水などの水害を防ぐ資材として注目されそうだ。

 Dotconは等間隔に穴の開いた再生プラスチック製のシート。これを地面に敷き詰めてからコンクリートを流すと、直径65㍉の穴の開いた路面が完成する。大雨やゲリラ豪雨に見舞われても、穴から大地に水が浸透するため水害につながるリスクを減らせるという。

 小澤社長(39)は26歳で自宅を建設する際、「水はけのいい平らな駐車場を作れたら」という発想からコンクリートに穴を開けることを思いついた。だが、具体的な手法までは浮かばず、アイデアは眠ったままになっていた。近年、各地で頻発する水害を目にし、「透水性の低いコンクリートやアスファルトこそが災害を引き起こす原因だったのではないか」と20年ほど携わってきたコンクリート圧送の仕事を顧みた。

 次第に「自らの手で問題を解決しなければ」との思いが強まり、商品開発に着手。改良を重ね、昨年7月にDotconを特許出願。11月には路面の成型方法などで3つの特許を取得し、国際特許も申請中だ。

 お披露目会では小澤社長自らDotconを使ったコンクリートの打設を実演。土木工学を教える大学教授や建築業者、商品に関心を持つ近隣の議員など約100人が見学した。

穴から流した水が地面に浸透する様子を実演
穴から流した水が地面に浸透する様子を実演

 このうち横浜国立大学土木工学教室の細田暁教授は商品について「地球にフタをしないことで環境への負荷を減らせる」と評価する。「自然との調和を図る資材として公共事業などで使ってもらえるよう研究機関として後押ししていきたい」と小澤社長を応援。小澤社長は「大地に水を返すことのできる商品がようやく完成した。これで子どもたちに良い状態で地球を引き継げる」と胸を張った。

 8月発売予定。問い合わせは042(519)9484同社まで。お披露目会の様子はこちら。(伊藤)