檜原村旧藤倉小学校を改修 体験型宿泊施設オープン さとやま学校・東京が運営

校舎の改修には主に廃材や自然に還る素材が使用された
校舎の改修には主に廃材や自然に還る素材が使用された

 1986(昭和61)年に廃校になった檜原村の旧藤倉小学校が、改修工事の末に体験型宿泊施設として新たにオープンした。施設を運営するのは、同村藤倉地区の環境保全と地域生活文化の継承を行うNPO法人さとやま学校・東京(川上玲子代表)。

 川上代表が初めて檜原村を訪れたのは約30年前。当時渋谷区の職員で、村内にあった同区自然の家の担当者として同村に通い始めた。その中で同村の豊かな自然や生活文化に魅了され、週末に農業をしに通うようになったという。その後、縁あって旧藤倉小学校を借りることになり、2017年に校舎を拠点にNPOを立ち上げた。

 以降、同法人では、里山の暮らしと知恵を次の世代へつなげることを目的に、地産地消の伝統料理を地元の人から学ぶ料理教室の開催や、在来種などの栽培による耕作放棄地の再生、小学校の改修などの活動を行ってきた。

宿泊者用には、コット(簡易ベッド)と寝袋が用意されている
宿泊者用には、コット(簡易ベッド)と寝袋が用意されている

 約2年間の改修工事を経て生まれ変わった校舎は、1棟貸しでの宿泊利用や、イベント会場やコワーキングスペースとしての日帰り利用が可能。料金は1泊6万円(定員12人まで、それ以上は追加料金)、日帰り利用1時間1000円〜(利用人数による価格変動あり)。昼の時間帯はセルフサービスのカフェスペースとしても営業するほか、料理教室や農業体験などの体験プログラムも随時開催する。

 川上代表は「檜原村の最奥部に位置する藤倉地区は、非常に濃い、本物の里山文化と出合える場所。そうした文化と街から来た人をつなぐ架け橋のような存在になれたら」と話す。

 問い合わせは042(598)0213、詳細は公式サイトから。(高野)