青梅市御岳 玉堂美術館 生誕150周年を機に枯山水活用で新しい層を

枯山水に立つ小澤館長(左)と新井主事

 青梅市御岳の玉堂美術館(小澤順一郎館長)は、川合玉堂生誕150周年を迎える今年、新たな取り組みを始める。1961年の開館以来、所蔵する300点以上の作品を展示し、玉堂ファンを楽しませてきた。だが、玉堂のひ孫にあたる小澤館長、玄孫の新井梨里子主事は新たなファンにも足を運んでもらい、さらに美術館を盛り上げようとさまざまな企画を考えている。

 その一つは元首相、吉田茂邸庭園など、数々の名庭を手掛けた中島健氏が作庭した枯山水の活用。四季折々に美しい表情を見せる庭は、米国の日本庭園専門誌「SUKIYA LIVING MAGAZINE」日本庭園ランキングで2016年から毎年上位に入るなど高い評価を得ている。

 昨年、成人式の前撮りに庭を提供し好評だったことから、今年は開館前の時間などを利用したウェディングフォト、七五三等の撮影に使ってもらいたいという。音楽コンサートや、来館者向けの枯山水の砂紋体験も企画している。

 庭の活用以外にも小澤館長による展示作品の解説、玉堂秘話などを語る「館長特別解説イベント」も月に1回程度開催する。

 地域の芸術家を講師に招いた写生会などのイベントも開きたいとし、多くの人の協力を得ながら美術館に新たな付加価値を持たせたいという。

枯山水は着物がよく映える
枯山水は着物がよく映える

 小澤館長は「美術館裏の東屋でお茶を振る舞うなど、来館者に作品以外も楽しんでもらえる企画を考えている」と話し、新井主事は「若い人にも玉堂に関心をもってもらいたい。御岳の美しい景色、玉堂絵画、枯山水を一体で楽しめる新たな美術館にしていきたい」と今年の抱負を語った。

 館長の解説イベントは14日11時〜と13時〜。年始の営業は7日から。開館時間は10時〜16時30分。月曜休館。問い合わせは0428(78)8335まで。(鋤柄)