玉堂美術館で生誕150年記念展 6月25日まで 10代から晩年までの作品を年代順に展示 

遺作の「雨後」
遺作の「雨後」

 青梅市御岳の玉堂美術館(小澤順一郎館長)で6月25日まで、川合玉堂生誕150年記念特別展第3弾「玉堂 美の系譜展」が開かれている。10代から晩年までの作品を年代順に展示。玉堂の生涯を振り返るキャプションも作品に添えられている。

 10代の玉堂が緻密に描いた山水画、「峰の夕」(1935年)をはじめとする40代〜60代に手掛けた名作、最晩年の秀作「鴛鴦」(57年)、亡くなる直前まで描いていたといわれる遺作「雨後」など、玉堂絵画の変遷を見ることができる。

 1873年に愛知県で生まれ、81年から岐阜県で暮らした。14歳で京都へ上り四条派、円山派の師から教えを受ける。23歳で上京し、狩野派橋本雅邦の門に入る。円山・四条・狩野派の伝統を引き継ぎながらも独自の画風を作り上げた。

 43歳で代表作であり国の重要文化財に指定される「行く春」を発表。67歳で文化勲章を受けた。第二次世界大戦禍で1944年に御岳へ疎開。戦後もこの地の自然を愛して定住し、84歳で死去した。

 開催時間は10時〜17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。入館料は大人500円。問い合わせは0428(78)8335まで。(鋤柄)