檜原村人里地区 森の中のキャンプ場「俚び心」オープン 構想から10年

テントサイトからの眺め。眼下に見える少し開けた場所は、他のテントサイト
テントサイトからの眺め。眼下に見える少し開けた場所は、他のテントサイト

 檜原村人里地区笛吹に、オートキャンプ場「俚(さと)び心」(中村甚継代表)がこのほどオープンした。オートキャンプ歴50年の中村さんが、パワーショベルやチェーンソーを用い、自らサイトの整地や木の伐採・搬出をして作り上げたこだわりのキャンプ場だ。

 キャンプ場作りを構想し始めたのは10年前。近隣に住む仲間と共に、中村さんが所有する山のスギ・ヒノキなどの針葉樹をモミ・サクラなどの広葉樹に植え替える活動をする中で、伐採のために作った作業道を生かしたキャンプ場を思いついたという。仕事を退職した昨年から本格的に整地などの作業を始めたところ、都心で暮らしていた三女も「一緒にやりたい」と実家に戻って仲間に加わり、約1年を経てオープンに至った。

キャンプ場オープン前、一緒に作業する中村さんと娘さん
キャンプ場オープン前、一緒に作業する中村さんと娘さん

 10カ所のテントサイトは、山の斜面に沿って蛇行した作業道をそのまま生かして作られており、森に包まれる安心感と、山の中で野営をしているようなワイルドな気分を味わえる。道はコンクリート舗装されており、キャンピングカーの乗り入れも可能だ。

 中村さんは、「俚ぶとは、『田舎くさくなる』『ひなびる』という意味。まちの喧騒から離れ、何もない山の中で自然の音に耳を傾け、田舎ならではの時間を堪能してほしい」と語る。

 川の対岸には、天然酵母パンや薪窯ピザ、薪式のサウナを楽しめる「たなごころビレッジ」(井上佳洋オーナー)がある。井上オーナーとは気心の知れた仲間だという中村さんは、「キャンプ場内の設備は沢の水を引いた水道とトイレのみだが、川を渡ってたなごころビレッジに行けば、おいしい朝食や夕飯、サウナやシャワーを利用できる(サウナとシャワーは要事前予約)。それも構想の段階から計算済み」と笑顔で話す。

 料金は1区画1泊5000円、2回目以降はリピーター割で500円ずつ割引となり、11回目は利用料が無料となる。デイキャンプは1区画2000円。

 定休日無し、完全予約制で営業。チェックイン11時〜16時、チェックアウトは10時。ペット同伴可。問い合わせは080(1350)6789(管理人直通)まで。(高野)