青梅 溶接強みのエイム 高性能の「水素カプセル」

おしゃれな外観にリクライニングシートを装備した「エスカルゴ」。横になって利用するタイプもある
おしゃれな外観にリクライニングシートを装備した「エスカルゴ」。横になって利用するタイプもある

 板金加工、溶接を得意とするエイム(本社・青梅市今井、小山慎吾社長)の一押し製品は水素カプセル。独自の技術で生成した新鮮な水素を酸素とともに効率的に吸収できるアルミ製カプセル装置だ。疲労回復や病気予防、美容面で役立てようとジムやエステ、個人宅で利用されている。

 顧客の依頼で同社が先に開発した酸素カプセルの高度な溶接技術を土台とし、2016年に製品化。開発者の小山孝会長(68)は研究論文を読み込み、大学教授に相談するなどして水素の生成に2年を要したという。

 水素カプセルの22年度の売り上げは約3億円。水素の抗酸化作用に関する良い認識は健康、スポーツ、美容などの分野で浸透し、同社が銀座に構えるサロンの宣伝効果もあって販売数が伸びている。

販売先の3分の2は海外で、豪州の代理店を通して欧米各国やドバイなどにも製品が渡る。海外で医療器として扱えるよう米国食品医薬品局(FDA)の承認取得を目指している。取得後、需要が本格的に拡大するのを見込み、山梨県鳴沢村に新工場を建設。増産体制を整え、これまでの4倍の月40台を製造する計画だ。

小山会長も週2日程度、ドラマを見ながらカプセルに入るという
小山会長も週2日程度、ドラマを見ながらカプセルに入るという

 同社は多摩板金の社名で1962年に創業。ものづくりが好きだった小山会長は米国の専門学校でインダストリアル・エンジニアリング(業務改善技術)を学び、帰国後34歳で2代目社長に。創業60年を迎えた昨年、長男慎吾さんに経営のバトンを渡した。

 水素カプセルは、近場では河辺駅から徒歩3分の場所にあるヨガスタジオ「アメリ&ルジュ」(河辺町10—8—11)で60分2000円(通常3000円)で体験できる。