あきる野市 若林康彦さん 家系図代行サービス開業 自身のルーツに思いをはせて

家系図は別料金で木箱入りの巻物仕様にもしてもらえる
家系図は別料金で木箱入りの巻物仕様にもしてもらえる

 あきる野市瀬戸岡の若林康彦さん(55)がこのほど、家系図作成を代行する「幸せの家系図」を開業した。依頼者から委任状をもらい、役所で戸籍を取り寄せる。戸籍制度が確立している日本では、震災等で消失していない限り150年前まで、さかのぼることができる。

 家系図には依頼主の祖先の生年月日や没年月日、家紋だけでなく、享年や本籍地を記載。A3の和紙に印刷し、額装して納品する。そのほか、集めた戸籍一式、祖先が暮らしていた場所を現在の地図に落とし込んだ地図情報をファイリング。データ化もしてくれる。家系図調査は1系統〜全系統(5万円〜20万円)を選ぶことができる。

 大学卒業後、大手電気メーカーに入社。無線LAN、携帯電話の基地局装置の開発に従事。その後、特許を中心とした知的財産権の調査や管理を任された。幼い頃から家族に先祖についての話を聞かされており、「先祖がどこで何をしていたのか」「墓はどこにあるのか」など、自分のルーツに興味があった。著名人の家族史を調べるテレビ番組に影響を受け、10年ほど前から自身の家系図作成を始めた。

 先行文献等を調べる職業柄、戸籍から得られる情報だけでは満足できなくなった。戸籍に記された本籍地をもとに遠い親戚を訪ねたり、地域の歴史文献を調べたりした。そのようにして作成した若林さんの家系図には、江戸時代初期の祖先まで記すことができた。

「家族から聞いた言い伝えなども調べます」と話す若林さん
「家族から聞いた言い伝えなども調べます」と話す若林さん

 調査をする中で、「祖先はこの景色を見て生活していたのか」「こんな仕事をしていたのか」など、さまざまなことを知ることができ感動した。同時に、生かされていることの幸せも感じたという。そんな喜びや感動を多くの人にも味わってもらいたいと仕事を退職し、事業を始めた。

 若林さんは「家系図は子孫にとっても貴重な情報になります。私がまとめた家系図や地図情報をもとに、祖先が暮らしていた場所を訪ね、自身のルーツに思いをはせていただけたら」と話す。(鋤柄)