たなごころ 東京最西端のコインランドリー

　檜原村役場から車で南へ20分、たなごころビレッジ（同村人里）にコインランドリーができた。日照時間の短い山あいの村で、「近所にコインランドリーがあったら」という住民の希望を受け止め、井上店（井上佳洋社長）が採算度外視で始めた。
　井上店はガス・灯油事業を土台に天然酵母パン店「たなごころ」を営み、林業や宿泊業、喫茶、サウナを手がける多角経営の会社。大半が「近くにこんな設備があったら便利」「地域の人が喜んでくれそう」という井上社長（63）の発想から始まった事業で、ランドリーはその最たるもの。宿泊施設の寝具洗濯に活用したい考えもあり、思い切って「ウン百万円」の設備投資をした。
　オープンから２週間。さぞかし繁盛していると思いきや、「宣伝不足で…ウン百円は回収したかな」と井上社長。「でも、シーツを洗うのはすごく楽になったよ」と、現状一番の常連客は自社だと明かして苦笑い。口コミで少しずつ周知を広めていくという。
　利用可能な洗濯・乾燥の容量は、洗濯のみ17㌔、乾燥のみ14㌔、洗濯＆乾燥10㌔。料金は近隣のコインランドリーと同程度の設定。営業時間は９時～17時。４月～11月は月曜・火曜定休。問い合わせは０４２（５９８）６３０７まで。（伊藤）