福生駅東口 福生ラーメンポロ春 夫婦二人三脚で55年

櫻澤夫妻とスタッフとして手伝った孫の宝さん
櫻澤夫妻とスタッフとして手伝った孫の宝さん

 福生駅東口から徒歩4分の場所にある福生ラーメンポロ春はこのほど、創業55年を迎えた。店を営む櫻澤孝さん(77)、喜美子さん(72)夫妻による節目を祝うパーティが18日、店横の駐車場で開かれ、常連客ら71人が集まった。近所の飲食店仲間が模擬店を出し、歌やパフォーマンスでにぎやかに祝った。

 落語家の三遊亭楽松さん、第46代日本ライト級王者リック吉村さんらがあいさつ。ミュージシャンの佐伯憲陽さん、NAPPIさん、渡辺圭一郎さんのライブが行われた。

 ボクシングジムに通っていた喜美子さんは、元日本ライトフライ級1位の村松竜二さんとミット打ちを披露。リックさんがデモンストレーションも行った。常連客が作詞作曲した「ポロ春日和」を参加者で合唱した。

 孝さんは22歳の時、地元福生で商売を始めたいと、北海道出身の友人に札幌ラーメンの作り方を習い、プレハブ店舗で開業。4年後に喜美子さんと結婚。以来、二人三脚で店を切り盛りしてきた。

 飲屋街にある店は、飲んだ後に食事ができると重宝された。1970年代、ベトナム戦争の頃は米軍の客も多かった。戦地に向かう兵士を励まそうと大盛りにし、ビーフラーメンやジャガバターラーメンなど独自のメニューを増やしていったのが店のスタイルとして定着した。

 地域への恩返しとして88年からは結婚記念に当時1杯550円のラーメンを2日間100円で提供。売り上げを全て社会福祉協議会に寄付した。12年間続け、多い年には2日間で1200人が来店するほど浸透した。

ボクシングデモンストレーションで会場を盛り上げたリック吉村さん
ボクシングデモンストレーションで会場を盛り上げたリック吉村さん

 2009年以降、孝さんは付きっ切りで父、春一さんの介護をすることに。店主不在の期間を喜美子さんと娘の身和さんで乗り越えた。喜美子さんは「閉店も考えたが、お客さんの『続けてほしい』との声に励まされ踏ん張った」と話す。

 15年に孝さんが店に復帰。「昔ながらの店」「元気のいい店」としてテレビなどで紹介され、現在は他県からも来店がある。孝さんは「多くの方のおかげで55周年がにぎやかに祝えた。これからも健康で続けていきたい」、喜美子さんは「『よく頑張ったね』と皆さんに言われ感謝でいっぱい。60周年を目指して頑張ります」と話した。(山石)