【PR】西武信用金庫×西の風 Baton〜未来へつなぐ  vol.4 八王子市川口町 kitokito 代表理事 野口省子さん、企画・営業 野口可奈子さん


 当コーナーは西多摩地区に12の営業支店を置く西武信用金庫と西の風新聞社とのタイアップ企画です。西武信金の取引先であり、西多摩近隣で頑張る経営陣を担当支店の若手職員が訪ね、地域との関わりや未来への思いを聞きます。記事は原則毎月第2木曜に掲載、当面は女性経営陣を紹介していきます。


 八王子市川口町のkitokito(キトキト)は、多摩産材を使った木製品の企画・設計、販売を手がける「木のコンシェルジュ」と、木製品を作る福祉作業所WoodFactory(就労施設支援B型作業所)の2事業を営む。代表の野口省子さん(56)が、前職の都森林組合で同僚だった香川武生さん(54)と始めた個人事業を発展させる形で2021年、一般社団法人化した。

 翌22年、福祉作業所の立ち上げに際し、職員に加わったのが野口さんの長女、可奈子さん(28)。大学で理学療法を学び、障害者の介助経験もある可奈子さんが前職を退職したタイミングでもあったため、省子さんは「ブラブラしているならうちで働かない?」と、軽い気持ちで娘を福祉部門の職員に誘った。

 可奈子さんもまた、「親孝行になれば」くらいの軽さで入職した。母を助けたい気持ちはあったものの、組織自体にそれほど特別な思い入れはなく、漫然と過ごす日々。だが、半年後に木のコンシェルジュ事業に配置換えがあり、営業を任されてからスイッチが入った。

 「営業といっても最初は何をしたらいいか全くわからず、でも、とにかく何か行動すれば何かが起こるかなと信じて、代表たちがやらないことをやりました」と可奈子さん。近隣の市役所を回って木製品の需要を聞いて歩くほか、展示会や勉強会に率先して参加し、出会った人たちに製品を売り込んだ。若く、エネルギッシュな可奈子さんが広告塔となり、kitokitoの製品に興味を持つ人や、受注につながる例が増えていった。

 「これまで展示会は搬入搬出の大変さもあり積極的に参加はしてこなかった。彼女の意気込みで参加するようになり、私たちでは出会えなかった名のある会社ともつながることができた」と省子さんは、可奈子さんの勢いが組織を大きく前進させているという。一方、可奈子さんは「私が自由に動けるのも、ドンと構えて話をとりまとめる代表がいるから」と、母の存在の大きさを尊ぶ。

 福祉事業も好調で、利用者に支払うひと月当たりの工賃が全国平均1万6000円のところ、23年度は6万3000円の実績。kitokitoが発注する質の高い木製品を製造できている証拠で、定員20人に達した状態でも利用を希望する見学者が絶えない。

 こうした状況もあり、省子さんの直近の目標は第2作業所を開設すること。開業当初からの目標ではあったが、予想を上回る業績が続いているため前倒しで計画を進めたいという。

 「とにかく可奈子が加わったことで、これまでのkitokitoのイメージが変わったと思う。今まいている種が本当にいつかすごく大きなものになる可能性を感じている。それを一緒に見てみたい」と省子さん。可奈子さんは「外の世界にも出てみたい。いろんな経験を積み、自分を成長させてkitokitoを大きくしたい」と夢を抱く。


プロフィール】

野口省子(56) 埼玉銀行(現りそな銀行)に11年、東京都森林組合に20年4カ月勤務。営業、レーザー彫刻作業、イベント対応などの経験を積み、2017年に退職してkitokito設立。


野口可奈子(28)檜原村出身。学生時代はバレーボール部に所属、高校で主将を務めた。大手生命保険会社の営業、営業事務などを経験。現在は企画営業・SNSを担当。


【訪問者】

西武信金 北野支店 主任 佐伯さん(28)
ドンと構える省子さま、どんな方にも積極的に話しかけて事業をアピールする可奈子さまとそれぞれ役割があり、とても素敵な会社だと改めて感じました。私も物怖じせず、地域の方に西武信金をもっとアピールできるよう取り組んでいきたいです。