小中学生が集える場に ニュー駄菓子屋サンマ開業

「店名の『サンマ』は現代社会を生きる子どもたちが時間・空間・仲間を持てない状況を指す『三間がない』から来ている」と話す村上さん

 コミュニティスペース「ニュー駄菓子屋サンマ」(村上天悠代表)が10月5日、奥多摩駅から徒歩5ほどの場所にオープンした。店では駄菓子販売のほか、店内に置かれた昔懐かしいテレビゲームやボードゲーム、漫画などを楽しむことができる。放課後に集える場として、地域の子どもたちに浸透しつつある。

 空き家を活用した店は2階建てで、入り口すぐの空間で駄菓子を販売。観光客や地域住民らにも足を運んでもらいたいとコーヒーや紅茶なども提供する。駄菓子販売スペースの奥の個室は小学生らの宿題等に活用されている。2階の和室(9畳)はコミュニティースペースで、各種イベントやワークショップなどに活用できる。

 村上さん(32)は昨年4月、中野区から町に移住。移住前はまちづくりコンサル会社に勤務していた。現在は週1回、町の放課後子ども教室の指導員として働いたり、前職の仕事を個人で受けたり、中高生向けイベントを企画運営したりしている。移住後、子どもたちが自由に集まれる場がないと感じ、自身の仕事をしながら、年代を超えて人が交流できる場を作ろうとスペース運営を始めた。

 今後、スペースに集まる小中学生とともに、地域課題を考えたり、土産物を開発したりするプロジェクトを進めていくという。村上さんは「安心して集まれる場であると同時に、子どもたちが何かに挑戦できる場にしていきたい」と展望を語る。

 駄菓子販売スペースに設置された箱(30㌢×30㌢)に図書を配架したり、オリジナル商品を販売したりできる「みんなのハコ」(月2000円)、2階の和室を貸切で利用できる「みんなのスペース」(1時間2000円)、月2回、店番をしながらも持ち込み商品が販売できる「みんなでミセバン」(月2000円)などのサービスも用意している。

 営業時間は平日14時〜18時30分。土日祝10時〜17時。月曜、水曜、金曜定休。スペース利用はワンドリンク制(町内の18歳以下は無料)。サービス詳細は公式サイトから。https://www.dagashi-sanma.com(鋤柄)

懐かしい駄菓子のほか、ボードゲームや本が並ぶ