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東京西部 西多摩8市町村の地域紙 タブロイド版/毎週木曜発行

【コラボ】ME TIME JAPAN×西の風 自分の言葉とリズムで働く女たちVol.1 次の世代が生きやすい世の中を 〜豊かな「Common」をまちに〜

2025年5月22日

 西多摩と南・北多摩の人をつなげたい——。そんな想いから、西多摩の地域メディア「西の風」と立川を拠点にする英字サイト「ミータイム」は読者の皆さんの生活圏内である南・北多摩の魅力的な女性たちの取り組みを紹介する連載をお届けします。月1回のペースで続けていきます。


新海きよみさん  (一般社団法人 立川観光コンベンション協会 事務局長)

次の世代が生きやすい世の中を 〜豊かな「Common」をまちに〜

 立川観光コンベンション協会事務局長として、同市の魅力を国内外に発信中。新海さんの事務局長就任後、立川のオススメ品をPRする「立川のたいこばん」事業の充実や会員交流事業の強化、立川市と連携したインバウンドガイド養成講座の実施など、同協会のプレゼンスは著しく高まったと評判だ。「財源やマンパワーは限られていますが、有能なスタッフが集まってくれており、それぞれの得意技を発揮して協力しながら新しいことを進めていけるのが楽しい」

 日本全国に立川の魅力を発信すると共に、課題であったインバウンドやMICE(企業や団体向けイベント・会議)へも取り組みを広げている。

 立川市の産業振興課長や産業文化スポーツ部長など、産業・観光部門で8年間務めたが、もともとの専攻は心理学。大学卒業後、社会教育指導の専門職として立川市役所入庁。児童館や図書館などで長く働いていたが、同職種がなくなり、40代で一般事務職として市役所に異動。「市役所の常識や仕事のノウハウが分からず苦労しました」 

 国を挙げた次世代育成支援計画策定の担当主査として立川市の「第一次夢育て・たちかわ子ども21プラン(通称・夢たちプラン)」を市民参加で策定、市民と共に子ども政策を推進した。子どもたちの夢を地域全体で支える応援団をつくりたいという想いで市民団体「ウドラ夢たち基金」も立ち上げ。メインスポンサーの㈱壽屋は立川のまちの玩具店から世界的なフィギュアやプラモデルなどのメーカーとなり、夢を形にしてきた地元企業だ。「今は労働者の8割が会社員。親の働く姿が子どもたちには見えづらいから、仕事のイメージもやせ細ってしまう。世の中には農家や職人、商店など多様ななりわいがあることを知り、もっと自由にいろんな夢を見てほしい」

 「Common(社会的共通財)」が豊かなまちが、誰もが自分らしく生きられる社会につながると考える。「大切にしたいことはオープンマインドとディセンシ—(礼儀正しさ)。私利私欲で財を奪い合うのではなく、かつての入会地のように、誰にも開かれた居場所がもっと増えれば、柔らかく居心地のいいまちになるのでは。次の世代が少しでも生きやすい世の中にしていくことが年寄りの役目」と話す。

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