当コーナーは西多摩地区に12の営業支店を置く西武信用金庫と西の風新聞社とのタイアップ企画です。西武信金の取引先であり、西多摩近隣で頑張る経営陣を担当支店の若手職員が訪ね、地域との関わりや未来への思いを聞きます。記事は原則毎月第2木曜に掲載、当面は女性経営陣を紹介していきます。
女性が安心して働ける店に
職場環境を整えスタッフが定着する店を作れば、お客さんが安心して来てくれ、経営的にも安定する——。中神駅から徒歩2分、美容室アニーの小島店長(64)は、信念を持って女性が安心して長く働ける店づくりに心を砕いてきた。開業の9年後、店舗拡張を機に長女の愛さん(39)が入店。シングルマザーとして苦労を重ねた母を支え、店を盛り立てている。臣恵さんは今後10年かけて愛さんに経営のバトンを渡したいと考えている。
臣恵さんは30歳で離婚。2人の娘を育てるため手に職をつけようと、通信教育で美容師の資格を取得した。他店で7年働き42歳で独立。現在地に今の半分の広さの店を構えた。
ところが客が来ない。費用をかけてチラシを作り、スタッフに店を任せて自身はポスティングやビラ配りに明け暮れた。スタッフは自分を含め5人。「家賃を払うだけで精一杯で、お給料を払うのがすごく大変でした」。体力を頼りに、「自分だけは年中無休でやろう」と決意。実際、休みは大晦日の1日だけという苦しい時期が続いた。
何度も折れそうになる心を奮い立たせたのは2人の娘の存在だったという。「なんとしても自分の手で育てなければという気持ちがあった。土日もなく働き、娘たちには寂しい思いをさせてきた。お店を出して『お母さんやったよ』というところを見せるまで、あきらめるわけにはいかなかった」
地元のフリーペーパーに広告を出したのを機に状況が好転。次第に客足が伸び、事業継続の手応えをつかめたのは、開店から7年が過ぎたころだった。
2011年、50歳を前にして店の広さを当初の倍の約50坪に拡張。翌年、他店に勤務していた愛さんを呼び寄せスタッフに加えた。
愛さんにとっては、新たな店で一からのスタート。前店との違いや年上のベテランスタッフが多い環境に戸惑い、母とぶつかることも多々あった。それでも逃げなかった。「女手一つで私と妹を育ててくれた母への親孝行というか、支えられればいいなという気持ちで入った。ここまで来るのは簡単なことではなかったけれど、今は入って良かったなと思っています」
現在スタッフは12人全員が女性で、年齢は25歳〜75歳。客も女性が中心で、1カ月に来店する700〜800人のうち9割を女性が占める。女性スタッフの年齢層の広さが、あらゆる年代の女性客が安心して通える理由でもあるという。
開業の4年後に法人化し、社会保険を完備。有休、産休・育休制度を整え、毎年給与のベースアップを行うなど従業員の待遇改善を図ってきたことで、ここ5年の離職者はゼロ。出産後に復帰する例も増え、店は着実に良い方向に向かっている。
臣恵さんは「ますます多くの人が働けて、笑顔あふれる状況が長く続くように」と、さらに店を広げることを検討している。バトンを引き継ぐ愛さんは「今、お店はとても良い雰囲気。今後も新しい世代が入りたいと思える店づくりをしていきたい」と未来を見据える。

【プロフイール】美容室アニー
昭島市中神町1186-1 メゾン・カルム 1F
定休日 毎週火曜日
電話 042-546-1865

【訪問者】西武信金 中神支店 コーディネート担当 宮﨑さん(32)
お客さまの事業や従業員への想いを聞ける良い機会になりました。特に従業員の職場環境を充実させようとする考えに感動しました。巨恵さんの娘さんへの想いや親子間の葛藤がある中で、2人で乗り越え事業を続けていく大変さも感じることができました。私自身も職場の同僚に対し、思いやりを持って業務に取り組んでいこうと思いました。
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