西多摩の地域メディア「西の風」と立川を拠点にする英字サイト「ミータイム」が、多摩地域の魅力的な女性たちの取り組みを紹介する連載です。
鈴木志歩さん 「マルヤ製菓」二代目・仲見世商店街会長

昭和から続く 商店街の楽しさ届ける
町田駅前で、昭和の雰囲気をいまも色濃く残す「仲見世商店街」。通路に老舗の魚屋や豆腐屋、ラーメン屋、各国料理店、雑貨屋やアクセサリーショップまで数十軒の多様な商店がひしめき合う。商店街は戦前に誕生したと言われ、利用客は昔からの常連や学生、現在は外国人利用客も徐々に増えている。その入り口で、大判焼きや鯛焼き、和菓子・ご飯ものなど40種類以上を毎日手作りする製菓店「マルヤ製菓」の二代目。
店は創業60年、市民投票で「お店大賞」に選ばれた人気店だ。 税務署に勤めていた父が一念発起して始めたもの。当初は別の場所にあったが、街の開発に伴い人の流れが変わった際に一度移転。商店街の入り口という好立地に移転したのは志歩さんが小学5年生の時。その折に看板商品大判焼きも誕生した。
当時 、店の上に住んでいたこともある生粋の仲見世商店街っ子だ。 本格的に店に加わったのは20代後半、食品メーカーを退職してからの決断だった。現在は妹も加わり、店頭で大判焼きや鯛焼きを焼いている。
毎朝夕に手間を惜しまずに仕込みをして、種類豊富に商品を取り揃える理由を尋ねると、「出来立ての一番のおいしさを楽しんでほしい。新作を定期的に作るのは、いつ来ても楽しい気分になってもらいたいから。仲見世商店街らしい遊び心も楽しんでもられば」と話す。 「焼きたてをすぐ届けたい」という実直な思いを父の代から受け継ぐ。
4人の子どもを育てながら、朝から晩まで店に立つ日々。子育てに十分な時間を割けないもどかしさもあるが、できる範囲で子どもたちとの時間を大切にしてきたという。共働きで店を守ってきた両親の姿が、いつも心に浮かぶ。「ここで買ってよかった」「おいしかった」と言われる瞬間が何よりの励みだ。
現在は、商店街会長としての役目も担う。商店街を次の世代につなぐため、店主たちがそれぞれの持ち味を発揮できる環境づくりに取り組む。日々、店主や関係者から備品や運営のことなどあらゆる相談が持ち込まれ、会長の役割を一言で例えるなら「マンションの管理人のようなもの」と笑う。「この商店街の魅力は、一つ一つのお店に個性があること。地域のつながりが今も残っているのが町田らしさ」と話す。世代を超えて訪れる人たちの姿は、街を活気づけている。
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