Weekly News 西の風

東京西部 西多摩8市町村の地域紙 タブロイド版/毎週木曜発行

【羽村】父と母の味を継ぎ、居心地いい店に 新社長の西久保さんが奮闘

2026年4月16日

通し営業の定食店「元祖 味里本店」

 羽村市緑ヶ丘の「元祖 本店」は、1985(昭和60)年の創業以来、ボリューム満点の手作り定食で地域に親しまれてきた。看板メニューの唐揚げやハンバーグ、とんかつ、創業時から変わらぬ豚汁などを求め、昼夜を問わず多くの客が訪れる。店を築いた父と母の後を継ぎ、今年3月末娘の西久保優美子さん(52)が社長に就いた。

 店が始まったのは約40年前。母が一人で立ち上げ、後に父も加わって夫婦で切り盛りしてきた。3人きょうだいの中で、幼い頃から店を手伝い続けてきたのは西久保さんだけだったという。「小学校へ行く前、味噌汁の準備をしたりしてました」。母は晩年まで、その姿をよく覚えていた。

じゃが定食(960円)小豚汁付き(プラス250円)

 一時は兄も経営に加わったが、現在は兄が青梅市新町で同名の店を独立して営み、西久保さんは両親と守ってきたこの場所を継ぐことにした。「仲良くやるように」という母の遺言を胸に、それぞれが自分の店に責任を持っている。

 「お腹も心も、笑顔もいっぱいになれる場所にしたい」。西久保さんが掲げるコンセプトは、創業以来の「休憩なしの通し営業」にも表れている。最近は自ら手作りするレアチーズケーキ(450円)を目当てに来る若い客も増えた。市内の葬儀社クレアーレと連携し、家族の思いを反映した特別な弁当をお見送りプランに盛り込むなど新しい動きを創り出している。

店の前に立つ西久保社長。好きなメニューはチーズハンバーグ

 「実家に帰ってきたみたい」。くつろぐ客の姿が、物価高に苦戦する西久保さんの支えになっている。「お店で仕事をしているとお父さん、お母さんを感じる。いなくなった感じは全くしない」と、今なお両親と共にあるという。約10年後の50周年などという大きな目標を追うよりも、まずは両親が残してくれたこの場所で、一年一年を地道に積み重ねていく。

 

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