Weekly News 西の風

東京西部 西多摩8市町村の地域紙 タブロイド版/毎週木曜発行

狭山茶で抹茶ラテ 肉厚葉 コク、苦み生かし

2026年9月17日

野村園×マルベリーフィールド

 狭山茶を知る、最初の一杯。中神駅近くのブックカフェ「マルベリーフィールド」(昭島市)が9月5日から、入間市の茶農家「野村園」の狭山抹茶を使った新商品「狭山抹茶ラテ」の販売を開始した。代表の勝澤光さん(55)と野村園の野村翔一さん(43)が思いを一つにして送り出した連携の一杯だ。 

 2人の出会いは約5年前。勝澤さんの店で、地域で活躍する人を紹介する「大人の教養講座」を始めた際、お茶の講座などを通じて交流が始まった。今夏、抹茶を使ったかき氷の新メニューを考案していた勝澤さんが「狭山茶で抹茶はやらないの」と尋ねたことが、開発のきっかけとなった。 

 抹茶の原料「碾茶(てんちゃ)」は専用の加工設備が必要で、初期投資の大きさから狭山茶の産地では生産する農家がほとんどいなかった。だが今年、埼玉県の試験研究機関の協力を得て、野村さんは初めて抹茶の生産に取り組んだ。 

 野村さんが家業を継いだのは2013年。東日本大震災後に実家の茶業が厳しい状況に陥った際、「衰退していくのを見たくない」と脱サラして飛び込んだ。栽培の苦労も販売の難しさも痛いほど経験。43歳となった今、茶栽培のベテランである父が畑をしっかり支えてくれているからこそ、「今が一番自由に動ける」と、営業や商品開発などでつながりを外へと広げている。 

 勝澤さんは単に抹茶ブームに乗るのではなく、苦難を乗り越えてきた野村さんのこだわりと地産の価値を伝えたいと、かき氷シロップの試作を応用してラテを開発した。ラテは寒冷な気候で育つ狭山茶特有の肉厚な葉がもたらす、コクと苦味を活かした味わいに仕上がっている。 

狭山茶の特徴がよく出ている抹茶ラテ(ホット)

 テスト販売での客の反応も上々で、確かな手応えを感じている2人。「親しみやすいラテを入口に、狭山茶そのものの魅力を知ってもらいたい」と、ゆくゆくは緑茶の需要拡大につなげたいという。ラテはホット・アイスとも720円。

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