あきる野市伊奈いさぐり 知る人ぞ知る観賞スポット

いさぐり 「ほんとは教えたくないんだけどな」。北郷いさぐり会の丸山俊男会長(76)が渋りながら案内してくれたのが、知る人ぞ知るホタルの観賞スポット。あきる野市伊奈砂沼地区の通称いさぐりと呼ばれる場所だ。里山の雑木林に包まれるように谷津田の跡が広がっている。
丸山さんら同会のメンバーがいさぐりの整備活動を始めて4年目。それまで長く耕作されていなかった田んぼにはアシやガマノホなど背丈より高く伸びた草が生い茂り、シノダケが道をふさいでいた。
草を刈り、シノダケの根を掘って取り除き、道を整備し…約30人の会員が月1回の活動を地道に続け、見事な景観を作った。
田んぼをぐるりと巡る遊歩道は1周500㍍ほど。周囲の雑木林は植生が豊かで、桜、新緑、紅葉と四季折々に楽しめる。そしてホタル。丸山さんらはせっかく整備した場所が不特定多数の観賞者により荒らされることを案じている。「駐車場がないので徒歩で来てほしい。ゴミを捨てたり動植物を採取したりしないでほしい」などと注意看板も立ててマナーを守るよう呼びかけている。 (伊藤)