彩は御岳山から降りる 天空もみじまつり始まる 秋季大祭など多彩なイベント

青梅市の御岳山で天空もみじまつりが始まった。来月24日までの期間中、夜神楽や秋季大祭など様々なイベントがある。台風19号の爪痕が癒え切れないままだが、季節は着実に進み、山から里へ冷たい空気が流れ、美しい紅葉が降りてくる。26日、御岳山を訪ねた。 (岡村)

御岳山は海抜約900㍍。夏は涼しい分、秋は一足早くやってくる。19号によりロックガーデンは通行止め。それでも表参道(ケーブルカー滝本駅~御岳ビジターセンター間)は通行可能。ケーブルカー御岳山駅=写真=から武蔵御嶽神社間は問題はない。
御岳山で記録に残る台風となったのが1966(昭和41)年9月25日午前0時頃、静岡県に上陸した26号。最大瞬間風速が御前崎で50・5㍍、富士山山頂で91㍍を記録。西多摩でも暴風が吹き荒れ、御岳山では多くの木がなぎ倒された。中高齢者には記憶から消えない災害の一つとなっている。
御岳登山鉄道は台風が通過した12日は運休したが、安全点検を行った13日を除いて14日以降は平常運転を行い、行楽客を運んでいる。ケーブルカーの御岳駅から御師集落を経て、武蔵御嶽神社に続く道を行くと、落葉は散らばっているものの、紅葉が始まっている。
見ごろは来月に入ってから。今年は温かく遅れることが予想されピークは中旬以降となりそうだ。漆科のハゼを皮切りに、イロハモミジ、オオモミジ、イタヤカエデ、ヒトツバカエデ、ミズナラ、イヌブナなどが紅や黄色に染まる。
女将さんたちの「寄ってらっしゃい」の声が郷愁を誘う神社門前の商店街は昔と変わらぬ風情を残す。疲れた足をしばし労り、自慢の料理に舌鼓を打ちながら、歌の一つもひねってみたくなる気分に。が、才はない。店前を行く山ガールのグループに気持ちは奪われた。

イベントは、来月8日に秋季大祭(昇殿料1000円)、14日と19日に天空芸者宴・座敷(芸者踊り鑑賞は無料、お座敷遊びは1000円要予約)、16日に天空バイオリンコンサート(入場無料)、24日に夜神楽(入場無料)がある。詳しくは御岳山観光協会ホームページで確認できる。
このほか青梅市観光協会は9日~24日、青梅線御嶽駅周辺の御岳渓谷をライトアップする。紅葉が見ごろを迎える時期で、令年よりライトの数を増やしシンボルの大イチョウなどを照らす。今年改装工事を終えた御嶽駅舎もライトアップし、来訪者を幽玄の世界へ誘う。