発熱外来設置、オンライン診療も 西多摩の医療現場受診体制整備急ぐ

西多摩の医療現場では新型コロナウイルス感染症の疑いのある人たちの受診体制の整備が急がれている。各病院、医院では発熱患者と一般患者の動線を分けることや、一歩進んで屋外に発熱外来用のテントを設置している。一部ではオンライン診療や電話診療も始まっている。

あきる野市引田の公立阿伎留医療センターでは発熱外来用のテントを屋外に設置した。民間では同市草花の草花クリニックも設置した。

厚生労働省がテレビ電話などで診察するオンライン診療を全面的に認めたことを受け、対応する病院、医院も少なからず増えている。

あきる野市五日市のあきるの杜きずなクリニックや青梅市長淵の下奥多摩医院などで行っている。問い合わせて条件が合えば、オンライン診療が受けられる。電話での診療も可能だ。かかりつけ医に相談してみるといい。(岡村)

あきる野市 草花クリニック 発熱感冒外来を設置 院内感染防止策徹底

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、あきる野市草花の草花クリニック(下村智院長)は6日から院内感染防止策として発熱した患者を診察するテント式の発熱感冒外来を設置した。

駐車場と直結している玄関前に受付用と診察用のテントを設置。新型コロナウイルスの感染疑いがある患者が、他の外来患者らと鉢合わせをせずに診察できるようにした。

駐車場に着いたら受付に電話し、車の中で問診票を記入する。海外渡航歴の有無、海外へ行った人との接触歴、感染者や感染疑いのある人との濃厚接触歴、スポーツジムやカラオケ、飲み会、旅行などの集団で集まる機会があったか、などに答える。該当する人は保健所に連絡し、PCR検査に回すか検討する。該当しない人は診察し、処方箋を出す。

通院のほか、入院患者がいる同院にとって、新型コロナウイルスの院内感染防止策は喫緊の課題だ。同クリニックでは下村院長ら複数の医師がローテーションを組んで担当する。ただ、ガウン、帽子、医療用のゴーグルなどの用具が足りない状況にあるという。

下村院長は「自分も含め皆が感染者との認識を基本とし、医療活動はもちろん日常生活を送ることが大切。患者を守り、職員を守り、新型コロナウイルスを乗り越えていかなければならない」と話している。(岡村)

PCR検査実施で検討
青梅市医師会ドライブスルー方式で

青梅市新型コロナウイルス感染症対策本部は8日、同市医師会が、ドライブスルー方式のPCR検査を実施することで多くの会員から賛同を得ているほか、西多摩保健所と早期の実施に向けた検討に入っていると発表した。