奥多摩駅近くに今夏ゲストハウス開業 クラウドファンディング実施中

改修中のゲストハウス2階から顔を覗かせる西田さん
改修中のゲストハウス2階から顔を覗かせる西田さん

奥多摩駅近くに今夏オープン予定の「きよかわゲストハウス」オーナーが、不足する開業資金を補おうとインターネットで寄付を募るクラウドファンディングを始めた。見込んでいた別事業での収入が新型コロナの影響で絶たれたため支援を呼びかける。(伊藤)

オーナーは、羽村市出身の西田和哉さん(33、奥多摩町鳩ノ巣)。安価で泊まれ、宿泊者同士が当たり前に交流するゲストハウスの雰囲気が好きで、10代から10年来、各地のゲストハウスを泊まり歩いてきた。いつしか宿の運営を夢みるようになり、房総半島など東京近郊で物件探しを続けてきた。

4年前、奥多摩にたどりつく。羽村の自宅から足繁く通って人脈を作り、翌2017年奥多摩に移住。地元の人のツテを頼りに地道に物件探しを続け、奥多摩駅から徒歩2分、奥氷川神社そばにある築110年の民家を見つけた。木造2階建てのその建物は半世紀以上前、「きよかわ」という食堂だった。その後、住居として使われていたが、1年半ほど前に住人が他界したため取り壊される予定だった。

西田さんは一目で気に入り、紹介者の仲介で持ち主と交渉。自由に改修して借りられることになった。「それまでに決まりかけた物件が2軒だめになり、正直心が折れそうだった。良い場所を見つけられたのは完全に粘り勝ちですね」と振り返る。

開業に向け改修などに必要な費用は約800万円。このうち650万円を自己資金と借入金で用意した。残り150万円を鳩ノ巣で営む民泊の売上で賄うつもりだったが、新型コロナで3月以降の売上がゼロになり、すでに進行している改修費の不足が見込まれる。

「ゲストハウスを開くのは長年の夢だった。何としてもやり切りたいので応援してほしい」と西田さん。ゲストハウスには1階にバーカウンターを設置予定。泊まり客だけでなく地元の人も利用できるようにし、来た人が楽しく交流する場を作るという。寄付は5000円~8万円。金額に応じて宿泊券、バテレのビール、ガタコーヒーのオリジナルブレンド、ワエンの木製コースターなどの返礼がある。期限は7月9日まで。