奥多摩 三河屋旅館 趣きある蔵で平日ランチ

ほどよい量と味付けで女性客に人気の「三河屋丼定食」

奥多摩駅から徒歩7分、国道411号沿いにある温泉宿「三河屋旅館」(奥多摩町氷川、川上起久雄社長)は8月、敷地内の「土蔵食亭」で平日ランチを始めた。観光客だけでなく地域の人にも親しまれる店にしていきたいと、手ごろな価格でお得感のあるメニューを提供する。

創業190余年の老舗旅館。6代目の川上社長(71)と二人三脚で宿を切り盛りしてきた妻が昨年入院し、「一時は旅館をやめようと思った」。だが、内情を知る従業員の呼び掛けで地元スタッフが新たに10人ほど集まり、再スタートを切った。多くのスタッフが別の仕事との掛け持ちで、短時間勤務をやりくりして旅館を支えている。

30 年ほど前に改修し、食堂として活用している土蔵

蔵ではこれまでも土日を中心に食事を提供してきたが、利用の大半は観光客。「もっと地域に開かれた店にしていきたい」という新スタッフの発案で平日ランチが始まった。

半人前ずつの麺とごはんをセットにした定食2種類を各10食限定で提供する。一つは玉ねぎにある食材を加え、卵でとじた秘伝の丼とそばの「三河屋丼定食」。もう一つは「カレーうどん定食」だ。いずれも小鉢と漬物、一口デザートとお茶付きで税込900円。

旅館では、昭和30年代に掘り当てた源泉を引き、「麻葉の湯」を営業している。1000円で日帰り入浴ができるため、温泉とセットでランチを楽しむ人が増えている。営業時間は11時〜15時。木曜・金曜定休。問い合わせは0428(83)2027まで。(伊藤)