水曜は「特注」、金曜は「グループ展」、土日は「個展作品」と、机の前には曜日ごとに取り組む内容を記した札が貼ってある。檜原村本宿の島﨑良平さん(34)は昨年4月、10年以上続けてきた印刷会社でのアルバイトを辞め、絵の収入だけでやりくりする生活に切り替えた。貼り紙は自分を律するための工夫だが、「なかなか思うようには進まないですね」と苦笑する。
島﨑さんが描くのは「現代浮世絵」と呼ばれるジャンル。琳派や浮世絵など古い時代に描かれた絵をオマージュし、現代の感覚で描いたもの。島﨑さんは女体と自然物を組み合わせた独自の作風を作り上げ、複数の公募・美術展で価値ある賞を受賞するなど評価を上げている。

日本工学院八王子専門学校グラフィックデザイン科を卒業後、07年ごろから独学で描き始めた。自力でのレベルアップに限界を感じ18年、当時青梅市在住だった水墨画家、氏に弟子入り。墨の扱い方や構図などを一から学んだ。
初めて師に就いたことで「これまで探り探りやってきたことの良し悪しが明確になり、クリアに描けるようになった」と、新境地が開けた思いがしたという。昨年、絵一本での生活に切り替えたことで、作品の質はさらに上がったと感じている。近い将来、江戸中期に活躍した絵師、のように細部まで描き切る大作を手掛けてみたいという。
都心から実家のある檜原に制作拠点を移して4年。身近に自然が豊富にあり、スケッチの題材に事欠かない環境を気に入っている。そんな村への愛着を示す思いもあり、昨年の水墨画の公募展「第32回 全日中展・東京書画芸術大展」で外務大臣賞を取った「に立つ女」を11月、村に寄贈した。現在、村役場応接室に展示されている。

住んでみたい
働いてみたい
遊びに行きたい



