あきる野富士見台自治会 資源回収と野菜販売で資金調達 自治会館を建て替えへ
建て替えが進むあきる野市の富士見台自治会館(同市下代継)で20日、上棟式が行われた。資源回収と野菜販売で自治会自ら資金を稼ぎ出し、上棟までこぎつけた。
晴天の下、クレーンが屋根の部材を吊り上げる様子を自治会長4期目の石原繪哩子さん(59)はじめ関係役員らは感慨深く眺めていた。「よくここまで来たね」。これまでの根気強い取り組みを口々に称え合った。
同自治会は2014年、地主の相続問題で会館の用地返還を求められたのを機に、借り入れをして用地を購入。年2回だった資源回収を月1回の頻度に増やし、新たに野菜の栽培・販売を始めて売り上げを返済に充てた。
100円~数百円の野菜を売って100万単位の借入金を返済するーー気の遠くなるような作業にメンバーは脱落していき、石原さんと原光男さん(71)が中心メンバーとして残った。メンバーはたんたんと畑を続け、資源回収の売り上げと合わせて2年間で約900万円を返済した。
会館の建て替え費用は3分の2程度を宝くじ助成金(上限1500万円)で賄うが、不足分は畑と資源回収で補っていくという。
石原さんは「諦めなければ最後は報われる」と語った松坂大輔投手の引退会見に自らを重ね、「諦めなければ目標は達成できることがわかった」とうなずいた。会館は来春、竣工予定。(伊藤)