オール檜原産材で建てた檜原 森のおもちゃ美術館 オープン

「山のひろば」にあるシンボルツリーのケヤキ

面積の93%が森林の檜原村で、オール檜原産材、とりわけ近くの小沢地区の木を多く使って建てた「檜原森のおもちゃ美術館」が3日、オープンした。檜原の地形を凝縮させたような木の空間で、村の魅力を体感できる施設だ。(伊藤)

エントランス右手の1階部分は「山のひろば」。正面に山と畑が広がり、左手のボールプールで北秋川を、ボルダリングの壁で岩山を表現している。野菜やキノコ、ユズの収穫体験や、特産のジャガイモを模したボールをレールに流す「じゃがいも転がし」のコーナーも。

村の地形を表現した「山のひろば」

中2階にはサンタさんも通れそうな煙突型のネットが付いたログハウスがある。2階はおもちゃで遊べるスペースや「赤ちゃん木育ひろば」があり、村内の林業会社東京チェンソーズが隣のおもちゃ工房で作った木のおもちゃも並ぶ。

2階のカフェは入場料の負担なしで利用できる。舞茸やちとせ屋の豆腐など地場の食材を使ったランチ(1000円)、「ひのはら紅茶」(500円)などのドリンクを提供しており、大きな窓からは色づく山や里の風景が見渡せる。地域の人の憩いの場としても活用されそうだ。

おもちゃ美術館の外観

美術館は、木のおもちゃで村を元気にするという「同村トイ・ビレッジ構想」に基づき、2019年に取り壊された村北部の北檜原小学校跡地に建てられた。卒業生らでNPO東京さとやま木香會(田村宏理事長)を設立し、村の指定管理者として美術館を運営する。校舎解体時に保管しておいた壁材や窓枠なども美術館の部材の一部に使われている。

手ざわりのいい木製のキノコを収穫して遊ぶコーナー

プレオープン期間最後の週末の10月30、31日には、2日間で1000人を超す人が訪れた。大谷貴志館長(56)は「駐車場や入場制限などでご不便をおかけしたが、帰りがけには皆さん『楽しかった』と笑顔を見せてくれた」と手ごたえをつかんだ様子。「皆さんに楽しんでいただける施設にしていきたい」と話した。

これまで村の観光は都民の森や温泉のある南部が中心だったが、7月にオープンしたじゃがいも焼酎製造等施設「ひのはらファクトリー」や神戸国際マス釣場と合わせ、今後は北部の観光にも注目が集まる。ファクトリー向かいの第3駐車場から美術館まで徒歩7分ほどの裏道は里の風情が味わえ、散策コースとしても楽しめる。

開館時間は11月末まで10時~17時。12月~3月は10時~16時。木曜休館。入館料は一般(中学生~64歳)1000円、生後6カ月~小学生は700円、6カ月未満は無料。村民は一般のみ500円でそのほかは無料。問い合わせは042(588)4044まで。


スタッフを募集中

眺望のいいカフェスペース

檜原森のおもちゃ美術館内にあるカフェ「さとやま食堂」はパート・アルバイトスタッフを募集している。仕事内容は食堂ホールスタッフ、キッチン調理補助。18歳以上が対象。勤務時間は11時~15時(応相談)。時給1050円。

詳細はメール(info★hinohara-toymuseum.com )で件名を「食堂スタッフ募集について」として問い合わせるか、電話042(588)4044(担当さとやま食堂大谷)まで。

おもちゃ美術館の外観(上)と「山のひろば」にあるシンボルツリーのケヤキ(下)。校庭にあったケヤキの木を使っている