青梅駅そば ホテイヤ傘店 傘の扱い方も教えくれる

ほぐし織りの傘を手にする荒井さん。子ども用傘も豊富に扱う
ほぐし織りの傘を手にする荒井さん。子ども用傘も豊富に扱う

 「傘は持ち手と中棒の継ぎ目あたりを持って優しくたたむ。使用後はすぐに干す。そんなちょっとした気遣いで骨や生地への負担が大きく減る」と話すのはホテイヤ傘店(青梅市本町)を営む荒井亮太郎さん(85)。曲がった骨を直したり、折れた骨を小さな金具を使って補強したりして修繕もしてくれる。

 「長く傘を愛用してもらいたいから扱い方を教える。口うるさい店だと思われているかもね」と笑う荒井さん。4歳で先代の父を亡くし、高校卒業後すぐに店を継いだ。創業約170年の店では、荒井さんが店を継ぐ以前は、同市の一大産業だった「青梅傘」といわれる番傘の製造販売をしていた。

 現在は洋傘を中心に、1000円ほどの品から3万円近いほぐし織りの傘、美しいフォルムの十六本骨傘まで扱う。

 創業当時、傘に張られた和紙に名前を書き入れるサービスが人気で、御嶽神社へ参拝する道中に名入れ傘を注文する客が多かったという。現在はルーターで持ち手に名前を彫ってくれる。市内の幼稚園・保育園からは毎年、卒園記念品として名入れ傘の注文を受けている。

 店を継いだ当時は市内に3店、全国にも多くの傘屋があった。修膳までする店は、今はほとんどないという。「店は後継者がいないので、あと何年続けられるか分からない。直す店が無くなると困るお客さんが多くいる。売るだけでなく、傘の特徴をよく理解してくれる人が店を継いでくれたらうれしい」と話した。

 営業時間は9時〜19時。月曜定休。問い合わせは0428(22)3214まで。(鋤柄)