山梨県小菅村 ほうれん坊の森キャンプ場 キャンプ愛あふれる2人が運営

小島さん、舩木さん、渡邉さん(左から)。キャンプ場には大きな吊り橋がある
小島さん、舩木さん、渡邉さん(左から)。キャンプ場には大きな吊り橋がある

 多摩川源流の小菅川に沿うようキャンプサイトがあり、森林も清流も楽しめる「ほうれん坊の森キャンプ場」で2年ほど前から働き始めた渡邉久司さん(30)と舩木良太さん(28)が、キャンプ場を盛り上げようと奮闘している。

 施設にはバンガローやキャビン、オートサイト、テントサイトがある。丁寧な接客も好評でリピート客が多いというが、基本的なキャンプ用品を全てレンタルできることからキャンプ初心者にも人気がある。

 施設は30年ほど前、地域活性化や村に雇用を生むため、村が整備しオープン。近隣住民らによって運営されてきたが、住民らの高齢化により13年前、NPO法人ほうれん坊(小島力理事長)が運営を引き継いだ。

河原でテントサウナも楽しめる
河原でテントサウナも楽しめる

 小島さん(79)も高齢になり「コロナ禍で、一時はやめることも頭をよぎった」という。だが、2020年5月に渡邉さんが、翌年3月に舩木さんが働き始め、2人のやる気ある姿に「もう一踏ん張りしよう」と奮起。2人に運営が任せられるよう、一からノウハウを教えたという。

 渡邉さんは福島県出身。同県でカメラマンとして働いていた。ブライダル写真を中心に撮っていたこともあり、新型コロナの影響を大きく受けたという。求人で同施設のスタッフ募集を知り、キャンプ好きだったことから応募した。

 当初は繁忙期のみ働くつもりだったというが、村や施設が気に入り、定住を決めた。今では仕事の傍ら、村民の写真を撮ったり、得意なテニス教室を開いたり、村民との交流も楽しんでいる。

 村出身の舩木さんは都内で美容師として働いた経験を持つ。結婚を機に村に戻り仕事を探していた時、友人に誘われ施設の手伝いに訪れた。小島さんが幼少期に通った自然体験教室の講師だったことを知り、縁を感じたという。舩木さんもまたキャンプ好きだったことから働かせてもらうことになった。

 小島さんは「2人とも本当にここが好きでいろいろ考えながら働いてくれている。そういったスタッフがいることが、質の高い施設を作ることにつながる。今ではほとんど2人に任せています」と話す。

 2人は「キャンプ場に勤めていながら、休みになるとキャンプをするほどこの場所が大好き。ここで働けてうれしい。小島さんから多くのことを学び、良いキャンプ場にしていきたい」と笑顔を見せた。

 施設は1月上旬〜2月上旬以外営業。問い合わせは0428(87)0435まで。(鋤柄)