当コーナーは西多摩地区に12の営業支店を置く西武信用金庫と西の風新聞社とのタイアップ企画です。西武信金の取引先であり、西多摩近隣で頑張る経営陣を担当支店の若手職員が訪ね、地域との関わりや未来への思いを聞きます。記事は原則毎月第2木曜に掲載、当面は女性経営陣を紹介していきます。
同世代の社長、全力で支える
省力化・自動化機器の開発・製造を手掛けるアシストシステム(青梅市今井)の専務取締役。20代〜40代の若手を主力とする伸び盛りの会社で、従業員の生活を守る重圧を常に感じながら同世代の鹿山哲平社長(41)を支えている。
入社は24歳の時。市内の美容室を退職し無職だった須﨑さんに銀行員の母が持ち帰った求人チラシがきっかけだった。「生きていくためにとりあえず」といった軽い気持ちで応募し採用が決まると、間もなく資材調達の部署に配属された。当時は会社の業績が大きく落ち込んだ時期。人員整理に伴い部署を仕切っていた先輩がいなくなり、須﨑さんが部署を任される状況に。先代から直々に経理を教わり、図らずも会社の中枢にかかわるようになった。
29歳の時、草創期から先代を支えてきた鹿山さんが事業を承継し、同時に須﨑さんを専務取締役に大抜擢。須﨑さんは「なぜ自分を選んでくれたのかはわからないが、求めてもらえるのなら全力でサポートしよう」と心を決めた。鹿山社長は「海外出張の際、社内の状況を自主的に報告してくれた唯一の従業員が彼女だった。信頼のおける人間だと思った」と須﨑さんを要職に引き上げた決め手を教えてくれた。
ともに20代後半の鹿山社長と須﨑専務が率いる会社は、これまでの半導体関連の下請けを中心とした事業から省力機器の開発へと大きく舵を切った。若いふたりを面白がって仕事をくれる取引先に支えられて勢いに乗り、コツコツ実績を重ねて信頼を獲得していった。気づけば一つの仕事が次の仕事を運んでくる好循環が生まれていた。
コロナ禍、人口減少により省力化・省人化の流れはさらに加速。同社の業務量もここ数年で急増し、それに伴い従業員数もこれまでの倍近い30余人に増やした。須﨑さんは「世の中に求められる場面が増えて会社が大きくなるのはうれしいことだけど、私の重圧は増えますね」と苦笑い。「従業員の生活を守り抜く」と決めているだけに、決算が芳しくないと「見事に円形脱毛ができる」という。
責任感が強く弱音は吐かないたち。これまで仲のいい友達に似た境遇の人はおらず、会社の内情を聞いてもらう機会はなかった。だが、最近、地元の友人が経営を担う立場になり、愚痴を吐き出す場所ができた。「大変なのは自分だけじゃないと思えるだけでも少し気が楽になった」
女手一つで育ててきた一人娘が高校生になり、アルバイトを始めたのを機に収入を得ることの大変さを理解するようになったのが大きな喜び。成長していく娘との時間も大切にしたいが、今また会社が大きく伸びる時期。仕事一筋の生活は当分続きそうだ。

【プロフィール】須﨑里実(42)
あきる野市出身。20歳〜24歳、美容師。趣味は寝ること、ショッピング

【訪問者】西武信金 千ヶ瀬支店 コーディネート担当 中村さん(23)
今回のインタビューで関さまの人柄、考え方、夢を深く知ることができ、とてもうれしく思います。特に部下に対してはっきりと方針を示したいという考えや有言実行の姿勢に力強さを感じ、感銘を受けました。私も力強く、誰もが頼りたくなるような人間になるため、より一層の努力をしていこうと思いました。
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