救急救命士の経験生かし ケアタク・民間救急の「絆」開業

 あきる野市伊奈の澤田真吾さん(39)は昨年暮れ、ケアタクシー・民間救急「絆」を開業した。東京消防庁救急隊の救急救命士として16年間勤務した経験を生かし、一般の介護タクシーではできないサービスを提供する。

搬送車両2台を備え、業務にあたる澤田さん

 澤田さんは前職で医療現場の最前線に勤務。救急車が足りない現状を目の当たりにし、不足を補う民間救急の必要性を強く感じたという。自身の生まれ育ったあきる野に民間救急事業者が少ないこともあり、「自分のスキルを地域に還元できたら」という思いから創業を決めた。

 車椅子やストレッチャーに乗った状態で病院に行きたい、持病をケアしながら遠方を旅行したいといった緊急性は低いが重要な搬送ニーズに対応する。また、医療従事者が同乗するため酸素投与や吸引処置等ができる点が一般の介護タクシーとの大きな違い。自宅で腰痛などにより自力で動けない人や、精神疾患・感染症患者の搬送を得意とする。救急車と異なり予約ができる。

 澤田さんは「緊急性の低い現場を民間救急でカバーできれば、本当に必要なところで救急車が生かされる」と開業による地域へのメリットを語った。

 事前の電話相談可。見積もり無料。料金は関東運輸局の福祉限定車両の料金体系に沿って迎車500円、220㍍ごと100円、時間制運賃30分まで3610円。基本介助料1000円〜。例えば車椅子乗車で5㌔利用する場合は迎車500円+運賃約2500円+基本介助料1000円で計4000円となる。

 予約・問い合わせは070(3209)2668まで。LINEからも相談可。(伊藤)

ケアタクシー・民間救急「絆」LINE