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【コラボ】西武信用金庫×西の風 Baton〜未来へつなぐ  vol.26 漢方で人が幸せに生きるお手伝いを 井龍・井上薬局 関谷正美さん、壮史さん 

2026年3月12日

 当コーナーは西武信用金庫と西多摩の地域メディア西の風新聞社のタイアップ企画です。創業5年以内で特色ある事業に取り組む西武信用金庫の取引先を支店担当者と本紙記者が訪ね、事業紹介と合わせて地域や将来への思いを聞きます。


漢方で人が幸せに生きるお手伝いを

 あきる野市五日市の都道檜原街道沿いで、漢方薬を処方する井上薬局を営む。「とことん話をきく薬局」を掲げ、関谷正美さん、壮史さんが母と息子の2人体制で訪れた人の心身の不調に耳を傾けている。

 正美さんの父の代から、「井上商店」の名で学校・官公庁向けの事務機や教育機材を扱う事業を営んできた。需要の減少に伴い2024年に井上商店を廃業。代わって正美さんが「細々と続けてきた」という薬局部門と介護用品のレンタル業を、新たに立ち上げた合同会社「井龍」で引き継ぐことにした。

 店に残る筆書きの資料によると、井上家が五日市で薬種商を始めたのは嘉永2(1849)年。店付きの住居は正美さんの母の生家で、正美さんが生まれ育った場所でもある。思い入れの深い地で、自身の代で事業を終えるのは「もったいない」という思いが新会社で再スタートを切る原動力となった。

 正美さんとともに店を切り盛りするのが、井上商店時代から家業を手伝う長男の壮史さん。精神的な落ち込みから不調が続いた20代、漢方薬に救われた経験から興味を持ち、勉強会で知り合ったその道の大家に教わるなどして知見を深めた。常に複数の漢方を持ち歩き、出先で会った不調の人に処方しては反応を聞き、経験値を高めてきた。

 「漢方は息子がメイン」と正美さんも一目置く存在になりつつある壮史さん。だが本人は「どちらがメインということはなく、一人の患者さんに異なる目線でアプローチし、最善の提案ができれば」と母の見立てを尊重することも。漢方を前面に打ち出した店づくりをしてはいるが、正美さんはアロマ(香り)、壮史さんはカウンセリングと、漢方に頼らず互いの得意分野で解決することもあるという。

 人が幸せに生きるためのお手伝いをする——。漢方を通して新会社の理念を実践する2人。今後の夢は、正美さんは「五日市が元気になってくれること」とふるさとへの思いを語る。まちゼミやヨルイチなどのイベントに積極的に参加し、まちを盛り立てていきたいという。壮史さんは「今を楽しく生きる」。大学卒業後、社会に出て将来に行き詰まった時期がある。「未来は今の地続きだから、今を一生懸命生きるのが結果的に良い未来を創ることになる」と哲学的な答えを返した。

 社名の「井龍」は敷地内に祀られる弁財天の名前から取った。薬局らしく「井」を医者の「医」にする案もあったが、五日市イズムを残そうと「井上」の「井」にしたという。


【プロフィール】
関谷正美(せきや まさみ)1958年生まれ  関谷壮史(せきや まさふみ)1988年生まれ


【訪問者】西武信金 五日市支店 コーディネート担当 柴田さん(24)
 普段からお世話になっていますが、改めてその魅力を実感しました。症状だけでなく一人ひとりの悩みや体質、生活背景まで丁寧にお話を聴いてくださる姿勢がとても印象的でした。漢方の奥深さと同時に、寄り添う姿勢の大切さを学ぶ貴重な機会となりました。

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