Weekly News 西の風

東京西部 西多摩8市町村の地域紙 タブロイド版/毎週木曜発行

【西の風ものがたり】編集長 鋤柄 大気 

2026年4月27日

編集長 鋤柄 大気(すきがら たいき)

2021年入社 明星大学造形芸術学部、愛知県岡崎市出身 奥多摩町在住

「西の風」との出会い

 美術を専攻していた学生時代、青梅街道沿いの元運送会社の敷地で、一カ月間作品を編み続けるパフォーマンスをしたことがあります。野外展覧会「Art Program Ome 2011」の出展作品でしたが、毎日同じ場所に通い、ただ手を動かし続けていました。通り過ぎる人や車の音に包まれ、時間を編み込むような日々。その様子を、地域紙「西の風」が記事にしてくれました。これが私と「西の風」の出会いです。

 自分の行為が誰かの言葉によって記録され、紙面に残る―。その意味を当時はあまり深く考えていませんでした。その後も、私が企画するOKUTAMA ART FESTIVALや、奥多摩町立せせらぎの里美術館での展覧会を取り上げてもらうことがあり、「西の風」の存在が少しずつ私の中に定着していったように思います。ですが、文字を生業としていなかった自分が「西の風」で働くことになるとは、当時は思ってもいませんでした。

「西の風」に入ったきっかけ

 新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて確認された2020年。OKUTAMA ART FESTIVALは例年通りの開催が叶わなくなりました。時間は止まり、先の見えない状況の中、私は別の形で展覧会を残そうと考えました。出展作家の半生を辿る一冊、『クリエイティブを旅する―東京最西端物語―』の出版です。

  当時は中学校・高校の美術科教員をしながら奥多摩で制作活動を行なっていました。傍ら「西の風」で月に一度、「クリエイティブ」をテーマにした連載を書かせてもらっていました。その縁もあり、出版の相談をした相手が、現社長で当時編集長だった伊藤寛子。やり取りをきっかけに時折原稿やコラムを書くようになりました。編集長になったばかりの伊藤から新体制で新聞を作りたいと誘いがあり、気づけば私は「西の風」の記者になっていました。

「西の風」と私のこれから

 記事を書き始めて5年、編集長を任されて4年。地域紙の価値とは何かを考え続けています。「西の風」の紙面づくりは、かつて私が作品を編み続けていたように、地域の出来事を一つひとつ拾い上げ、編み、形にしていくのと似ています。 

 今、いわゆる美術作品を「つくる」ことからは離れていますが、地域の声や出来事をすくい上げ、言葉として編み直すこの行為は、今の私にとっての「つくる」こと、そのものだと思っています。

 私たち編集部にとって、毎週発行する紙面は作品そのものです。これからも丁寧なものづくりに取り組んでいきたいと思います。

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