あきる野 野楽庭園 奈良さん夫婦 人の暮らしに寄り添う庭を

出会って3カ月で結婚したという奈良さん夫婦
出会って3カ月で結婚したという奈良さん夫婦

 あきる野市入野で造園業を営む(奈良武代表)が間もなく創業3周年を迎える。奈良さん(43)は、客の要望に合わせた庭を作るだけでなく、土中の通気、通水改善や、落ち葉や枝を土に還すなどし、庭の中で小さな自然循環を生み出す。人と緑が共生可能な庭作りを提案している。要望があれば客と共に作業をすることもあり、施工後も客自身が植栽管理をできるよう手入れの仕方を教えるという。

 奈良さんの妻、裕子さん(41)は昨年の秋頃から現場に出向き、仕事を手伝っている。奈良さんは「人手があることも助かるが、妻が作業中にお客さまと話をしてくれることで細やかな気遣いができ、場が和むのでありがたい」と話す。

 裕子さんは、造園の仕事に親しみをもってもらいたいと、日々の仕事を紹介する「植木屋の妻 ノラバエン日記」をFacebookで定期的に配信。季節の植物の写真、客との何気ない会話から気付いたこと、植物の面白さなどを綴っている。

 奈良さんは大学で環境社会学を学んだ。環境デザイン分野の一つであり、人と自然が共に豊かな関係を築くためのデザイン手法「パーマカルチャー」講座に通うなど、環境問題に関心を持っていた。

 卒業後はマンション管理の仕事に就くが、面白さを感じられず1年半ほどで退職。自然に関わる仕事がしたいと公園などの緑地整備をする造園会社に転職した。その後も主に茶室を作る造園事務所や植木屋で修行を積んだ。

 40歳を機に、これまでの経験を生かし、人の暮らしに寄り添った庭作りをしたいと2019年に独立。「大地の再生士」「地球の庭師」と呼ばれる造園家の矢野智徳さんのもとで里地、里山の環境整備講座などを受けながら、さらに環境や植物への理解を深めている。

 奈良さんは「まだまだ始めたばかり。仕事をさせてもらいながら学び続けている。お客さまに野楽庭園に庭作りをお願いしたいと思ってもらえるよう頑張りたい。植物に関わることでお困りのことがあれば、小さなことでもご相談ください」と話した。

 問い合わせは090(7728)9906まで。(鋤柄)

 

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