土壌専門家が解説 青梅の土壌は「良質」 不適切な管理、放置で悪化も

ファームトゥテーブル2
新鮮な生野菜が並んだテーブル

青梅市今井・小曽木地区で有機野菜を栽培しているヤナガワファーム(柳川貴嗣代表)と繁昌農園(繁昌知洋農場長)は13日、同市本町のカフェころんで「おうめの野菜を食べておうめの農業を知る Farm to Table Dinner(ファームトゥテーブルディナー)」を初開催し33人が参加した。席上、土壌の専門家、加藤哲郎さん(法政大学生命科学部植物医科学センター特任所員)が青梅の土壌は農業に適した良質な土壌であることなどを解説した。
今回のディナーイベントのコンセプトは「地産地消」。ヤナガワファームと繁昌農園の採れたて野菜を使ったフルコース、小澤酒造(同市沢井)の日本酒を振る舞ったほか、武藤治作酒店(同市木野下)のオリジナルクラフトビール「VEPER(ベイパール)」も提供した。
加藤さんはプロジェクターで図などを示しながら青梅の土壌について、「厚層多腐植質黒ボク土」「表層多腐植質黒ボク土」が比較的多く、いずれも生産力が高いと説明。富士山や箱根山から降ってきた火山灰が農業に向いた性質のものだったこと、植生が豊かで有機物が多いことなどから、「青梅は非常に良質な土壌」と話した。ただ「良質な土壌ほど悪化もしやすい」とし、自然循環に近い適切な管理が重要だとした。
そのほか柳川代表と繁昌農場長が提供した食材や日々の取り組み、栽培方法などについてプロジェクターを用いて説明。柳川さんは「都市部に近く、土壌が良い、青梅の利点をどう活かしていくか課題」と話した。(佐々木)