おもちゃ工房完成 東京チェンソーズが運営 おもちゃ美術館は2021年開館予定

檜原村が同村小沢に建設したおもちゃ工房の運営事業者が村内の林業会社東京チェンソーズ(青木亮輔代表)に決まり、先月26日に施設のお披露目を兼ねた開所式が開かれた。同工房は2021年に隣接地に開館予定のおもちゃ美術館と併せ、村が掲げるトイビレッジ構想の核となる施設。村と民間会社が足並みをそろえ、木のおもちゃで林業、観光の活性化を図る。(伊藤)

同社は2006年創業。「檜原の木を活かし、届ける」を理念の一つに持ち、森林整備に留まらず木材の加工・販売も視野に入れた新たな林業のかたちを模索してきた。

村が2014年に検討を始めたトイビレッジ構想に基づき木のおもちゃの製造工房を建設、運営事業者を募ると真っ先に名乗りを上げ、施設を借り受けることになった。

おもちゃ工房は木造2階建て。延べ床面積54坪で、1階の作業スペースを2階から見学できる構造。柱、梁、壁など全体の8割に檜原産のスギ、ヒノキを使ったインパクトのある建物で、工房自体が木の展示施設の役割も担う。岐阜県のオークヴィレッジ木造建築研究所が設計を担当。施工は村内の吉澤工務店(吉澤伸行社長)が約半年の短い工期で請け負った。

式典には関係者ら60人ほどが出席。青木代表は「林業を始めて14年目。まだ学ぶことばかりだが、木をきちっと活かしていきたいという思いは誰にも負けず持っている」と熱意を語った。すでに5種類の木工製品を販売しており、今後もデザインは他社に頼りつつ新たな製品を開発していくという。

来賓で坂本義次村長、中村賢次村議会議長、東京都森林組合の木村康雄組合長、東京おもちゃ美術館の多田千尋館長があいさつ。多田館長は、檜原村と同規模の人口にもかかわらず村内に30の木製おもちゃ工房があるドイツ・ザイフェン村を紹介し、同社の頑張りで檜原をザイフェンと並ぶ日本一の木のおもちゃ村にするよう激励した。